ODR Pickups/半蔵門ビジネストーク

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

【ODRピックアップ】20131031 給料を払うということ

【ODRピックアップ】20131031 給料を払うということ

 

私が大学を卒業したのは1981年。今から、32年前です。当時は、メインフレームコンピュータが主流で、サーバーとクライアントが、ホストースレーブ型と呼ばれていました。まだPCが今のような形にもなっておらず、キーボードにCPUが組み込まれた形のPC98が発表された頃。米国大使館が、PC用のソフト会社を引き連れてセールスにやってきて、説明会で隣席になったのはソフトバンクを設立して間もない孫さん、そんな時代です。

入社した会社は、所謂当時のベンチャー企業。コンピュータはまだ所有していなくて、メーカーのホストコンピュータを時間で借りて、企業向けの給与計算サービスを行ない、主な社員はメーカーへ技術者として派遣されていました。

同社は、1997年に上場し、今では一部上場になっています。

 

在職中は、自社製品や独自サービスもなく、社名を家族に聞かれて答えても、誰も知らない状態がもどかしく、製品開発をしよう、独自サービスを展開しよう、市場の動きに合わせた製品を出そう、量販店で販売されるようなソフトパッケージを出そう、しまいには海外企業と提携して技術を輸入しよう等々、およそ若気の至りのような活動ばかりしており、また、企業もそれを許可してくれていました。

こうした動きの結果として、あるベンチャーを買収し、役員として出向、最終的には親会社に吸収されることになり、そのタイミングで退職。現在の会社を立ち上げ今に至っています。

 

さて。自分で会社を運営し始めて、改めて思うのは、「社員に給料を払う」ということの大変さと、それを実施し続けていることへの敬意です。前述の上場企業は、社員数2000名程の中堅企業で、年間売上200億強、社員一人当たりの売上規模は1千万円強。一般管理費の比率は恐らく20%前後とすると、20%の人々は外部から対価を稼ぐことはないわけですから、80%の人員で全部を稼ぎ出す構造になります。大雑把に考えると、平均の給与が例えば500万/年とすると、200人分=10億は直接稼がない社員への給与です。

 

毎月の業績には波があり、お金が入ろうと入るまいと、毎月約8億円を給与として支払うことになります。中には、売上のない社員もいるでしょう。入金されるのは年度末かもしれません。それでも、一人当たり40数万円/月を支給するためには、それだけの現金を保有していなければならないわけです。資金繰りがつかなければ借入してでも、給与として支給する。。。自分の会社でそれをやろうとした時の大変さ。。。本当に頭が下がります。

 

当時、売上を伸ばせ!拡大しよう!という経営方針に疑問を抱いていました。「大きくならなくたっていいんじゃないか?小規模でも特徴がある企業になるべきでは?」確かにそれも一理あります。しかし、それは不自由のない強者だからそう思うんだということが、出資した別のベンチャーに出向して気がついたのです。新進のベンチャーでは、大手企業では当然のように享受できた福利厚生が殆どありませんでした。社内にリラックスして息抜きをし、たまには他部門と情報交換をする休憩スペースなんてありません。家族を連れて行って安く泊まれる保養所もありません。そんな余裕はない。。。そう。そうしたことに使うための資金が稼げていないのです。規模の拡大。利益率が50%の高効率の事業でも、売上が100万円なら、利益は50万円。利益率が5%の事業でも、売上が200億なら、利益額は、10億円。規模は必要なのです。

 

企業は大きくなると社会貢献として障がい者の方を雇い入れたりします。場合にもよりますが、多くは本社スタッフとして。即ち、前述の一般管理費に計上される人件費になります。こうした貢献を行うためにも、規模は追求して余裕資金を蓄積しなくてはならないことになります。

 

そもそも経済成長が必要な意味(ちきりんの社会派で行こう!!)

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1104/25/news009.html

 

これを、1企業ではなく社会に当てはめると、経済成長の意味は、

弱者も生存でき、生活の楽しみを経験できる世の中にするためには、社会には一定の余裕が必要です。強者にとってはぜいたくに思えるかもしれない設備も、弱者には生活の必須アイテム」(そもそも経済成長が必要な意味 ちきりんの社会派で行こう!!より)を実現するためのものなのです。

 

給料を払うということ。会社をやるからには、少なくとも、雇用ができるようにならなくては。。。と今更に思うわけです。遅いか。。

 

※各数値は、あくまで例えばの一般論です。実際の企業の実績ではありません。