ODR Pickups/半蔵門ビジネストーク

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

【ODRピックアップ】20141211 ある投資家とのSkype〜当たり前なことだが〜

【ODRピックアップ】20141211 ある投資家とのSkype〜当たり前なことだが〜

 

 事情で近々経営者を退き新しいコトを始めようとする旧友から「投資家を探して欲しい」との相談を受けました。彼曰く、「友人が掴んだ情報を元に進めている画期的な技術がある。量産できればその業界にとっての3度目の革新が起こる」というシロモノ。しかし、先立つモノがないので投資家を探して欲しいとのこと。重要事項はNDAを交わさないと開示できないので興味ある人が現れたら締結して先へ進めたいということでした。

さっそく旧知の友人の投資家に連絡。丁度そのメッセージを見た彼はまさに飛行機に乗るところでしたので、到着を待ってSkypeで話を聞いてもらうことになりました。

 

Skypeは便利です。飛行時間十数時間離れた地球の反対側の地にいる彼と、インターネットを介して顔をみながら無料で会話できるのですから。音声も映像も問題のないこのサービスは、正に必須のインフラ。とまあ、これは投資とは無関係な話。

 

雑談を交えながらSkypeで一通り話を聞いた彼はいつものように辛辣で直接的な意見を述べてくれます。あまりに直接的なのでいつも否定されているようにも感じますが、それは、彼の生きている業界では必須のこと。

 

以下、断片的ですが、そのコメントです。

 

投資してくれというが、何に投資するのか?

 

・技術(特許権)か、会社そのものへの出資か、そのほかの資産か

・なにかの所有者、権利者に投資することになる。それがはっきりしないのは投資対象にならないだろう。

 

もしあるとすれば、

・エンジェルマネー。はっきりしない場合でも、起業家や技術者、経営者への投資をする場合もある。しかし、個人的な信頼関係が重要。そのエンジニアや経営者に惚れ込んで投資してくれるかもしれない。これらはエンジェルマネーというが最近はめったにいない。今の時点で投資にのってくるのは余程オメデタイ人かもしれない。

 

NDAを交わさないと説明しないパターンは今は見向きもされない

 

・その程度の(すぐ盗まれてしまう程度の)秘密度合い、盗まれる恐れがある程度の技術、あるいは危ない分野に過ぎない。

 

仮に素晴らしい技術としても特許の権利が

・技術の所有者は本当に教授だけか?

・大学や共同研究者あるいは関係者との関係はないのか?

・その関係を誰が整理し、処理するのか?それに失敗あるいは条件がつくリスクはどう処理するのか。

・特許料の配分の要望はどう考えるか。ワンタイムマネー?10万ドルとかで済むのか?

・例えば、事業化したあとのN%の製品からの支払いを望むのか。綿密な事業プランがないと明確にリターンが読めないだろう

 

 

今回のようなケースはプロダクトアウトというが

・市場、適用分野がはっきりしないのであれば、売れるまで投資し続けるのか

 

反対に、マーケットインの場合

・技術の競争が激しい筈であるから、優位性などの綿密な検討と説明が必要

 

仮に医療技術だとすると

薬事法の申請と承認までのプロセスとコストはどれくらい?

・臨床で採用されるまでの論文とその学会での発表

・病院での採用されるまでのMD

・体内に入る場合の毒性の検討などは?

・適用する場合の安全性などは?

 

いずれの分野でもマーケティングプランがないと判断しようがない

・既存製品との差別化とその定着プラン

・マクロな市場規模とシェア目標

・具体的な顧客とその市場への参入プロセス計画

・代理店に売らせるという程度では受け入れられない

 

というわけで、これをまた当事者に伝えてアドバイスをしました。

 

内容は理解されたものの、

「画期的な技術で量産できればその業界にとっての3度目の革新」

が、意味することを、投資家が動ける数字にできていません。

もうちょっと道のりは長いかな。