半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

【ODRピックアップ】 20150731 最後に残る人力「物流」

 早朝娘が学校へいく時間に、インパクトのあるCMが流れています。そのうちの一つが物流会社「株式会社センコー」のCM。応援歌風のテーマを、出演者がガナリ歌います。

 

www.youtube.com

"物流にアイデアを、物流に熱い心を、世界を動かす力になろう〜♪"

 私の実父も地方で物流会社の経営者(もう引退しましたが)だったので、それなりに思い入れがある業種なのですが、このCMは早朝の低い血圧のアタマでも、不思議と自然に浸透して力付けてくれるので、マイブームです。

 単純に推測しても、IT化の進展により、情報の流れ(コミュニケーション、PR、情報提供、口コミetc)、決済、アフターサービス、そして紛争解決がコンピュータや携帯電話経由で行えるようになる範囲(ODR)が増えていくでしょうが、「物流」の部分だけは、"物質伝送装置Material transmission equipment"でも発明されない限り、人が直接触れ合う場面として残ります。

ところで、こんな動画が公開されています。米国の宅配便。玄関までは約30mだそうです。

www.liveleak.com


中に入っているのは、「壊れ物」ではない(と信じたい!)ですが、こういうのを見てしまうと、下記の数字も「そうかもね」と思います。

ECネットワークが行った調査結果(2008年)では、「海外からの購入でのトラブル経験者にトラブルの内容を複数回答で聞いたところ、「届いた商品が破損していた」は、送料、関税、納期などについでトラブル全体の5%で5番目となっています。国内でのトラブルでは、Eストアーが、実施した「オンラインショッピングのトラブルと対策に関する調査」(2007年)http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20343717,00.htm でも、「破損、欠陥、賞味期限切れの商品が届いた(18.1%)」となっています。

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インターネットを経由して何かを購入することは今後も間違いなく増えていくでしょう。

 

因に同じアマゾンでも、米国と日本はこんなに違うという例が紹介されていました。

business.nikkeibp.co.jp

 

商品情報提供、比較、質問、注文、決済、から出荷、入荷、配送、使い方の質問、クレームまで、電子的に行える部分は記録が残り、どういう順序で何が行われたかがわかりますから、何か起きた時の紛争解決の観点からは、より明確に白黒つけることができるようになる筈です。証拠となる事実関係がIT化されれば、ODR(オンライン紛争解決)で扱えるようになるでしょう。が、モノが適正に運ばれているかどうかは、前述のような監視カメラによるものになるのでしょうか。SFでの「常時監視(される)社会」に近づくようで、プライバシー的・心理的にはイヤな気分が残りますが、犯罪防止にも繋がるのでやむを得ないのかもしれません。あるいは、データロガー(http://ja.wikipedia.org/wiki/データロガー)が、小型化されれば、荷物に入れることで、温度、湿度、衝撃などの記録がとれますから、どのように運ばれたかがわかるようになります。コスト面でも、現在の郵便の書留などのような別料金で対応できるでしょう。後は、省資源のための再利用と情報漏洩がしっかりできれば、こっちのほうがいいかな。