半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

【ODRピックアップ】20150809 時代は変わり関係も変わる

【ODRピックアップ】20150809 時代は変わり関係も変わる

 

 

ホスト(主人)とスレーブ(奴隷)

私が就職したころは、コンピュータは、CPUは、メモリは高価なものでした。だから計算できる本体は、机上や社内ではなく、中央のマシン室に置かれ、集中管理されていました。コンピュータの計算主装置は、ホスト(主人)機と呼ばれ(=今のようなサーバーのサイズではありません。大型機になると一部屋。。。いや、1フロアを全部その”ホスト”機が占めていました)、設置してある部屋に出入るするのにも、靴から室内履きに履き替え、IDカード(これは正確には身分証明書、デジタル化前)をチェックされ、氏名を台帳に記入して、それはもう、厳重管理でした。操作は全て、そのホスト室で勤務するオペレータに依頼するというもので、プログラムのテストでも、事前にカードやテープに処理を穿孔して、手渡して結果を貰ってかえるという、今では想像もできないものだったのです。

33年前です。

 

少したつと、RJE(Remote Job Entry)という概念ができました。ホスト室ではなく、入出力端末(ダム端末とプリンターなど)を備えた、専用の部屋が用意され、ホストとは専用線で接続され、一々ホスト室にいかなくても作業ができるようになったのです。それでも、まだ、ホスト(主人)とスレーブ(奴隷)という関係は変わらず、ホスト勤務になるオペレータには羨望のまなざしが注がれたものです。ホストの設置してある”センター”に配属された同僚が羨ましかったものです。お金の流れも、ホスト関係への金額のほうが圧倒的でした。

 

クライアント(依頼人)とサーバー(給仕)

PC98が開発、発売され、Macintosh Computerが発売され、ホストだけが持っていた情報処理機能を、入出力装置に過ぎなかった端末側が備えることになります。さらに、それらがホストの処理機能をネットワーク経由で利用するようになると、これまでの主従関係が、クライアント(依頼人)とサーバー(給仕)という関係に変わり、逆転します。

 

ユーザーコンピューティング

メモリ価格、CPU価格の低下は、端末だったPCに多くのメモリや高速のCPUを安価で搭載されることを意味しました。それは端末の処理能力を大きく変化させ、それまでホスト機の役割としての情報処理のためには、ホストでのプログラミング開発が必然でしたが、同時にそのことは、ホスト技術者、ホスト管理部門への負荷の集中を意味し、既に多くの開発バックログを抱えていました。このときに出て来た考え方は、ユーザーがプログラミングをするということでした。それは、それまでのホストースレーブの関係の変化に合わせて、ホスト系のIT会社への依頼から、端末系の開発会社への依頼に変わり、お金の流れを大きく変えてしまいました。

 

ホスト機メーカーのPCシフト

このことは、ホスト機メーカーの危機感に火をつけ、ホスト機メーカーはこぞって端末側のPCの開発を開始しました。しかも、部品の共通化も起こり、どのメーカーでも殆ど同じことが同じような性能でできるようになってきて、差別化も難しくなります。必然的に価格競争に繋がり、PCのメーカーは苦戦します。一方、搭載されるソフトウェアは効率化が進み、この面でも、メーカーとソフトウェアベンダー(MicrosoftApple Computers 注:厳密には純粋なソフトウェアメーカーといっていいかどうか。)の力関係に影響を与え始め、ホスト、サーバー機の王者だったIBM(International Business Machine)は、PC事業を手放しました。

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時代はらせん階段のように廻っていく

時を経て、インターネットは世界規模に接続され、Webアプリケーションの登場は、かつでのホストースレーブ時代に行なわれていた情報処理の再度のサーバー機への集中の再来ともいえ、そして、今はクラウドという呼び名の資源共有に移行してきました。焦点はそれらの処理分散の形態から中を流れるビッグデータの扱い活用法的関係やセキュリティに移りWindowsは無償に、IBMは端末機器を手放し、ついにはMACをも扱いの対象とする。IBMMACのソリューションプロバイダー的になったともいえます。時価総額Appleのほうが既に上です。

 

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