【ODRピックアップ】20151202 迷ったら真ん中は意外と正しい
親しい友人の一人は、ランチを食べるときに迷っています。場所は事務所近くのお寿司やさん。
800円の並でいいかな。でも7カンか。ちょっと少ないかな。特上は2000円か、ランチで2000円か。上は1200円か。でも、14カンはいっているな。特上との違いは、ウニの軍艦巻きと中トロ。。。。あ〜〜〜どうしよう!!
財布に1000円しかなければ選択肢はありませんが、満足したいなら、上か特上です。彼の悩みのポイントは、3つから選んでいるのはなく、上か特上の二者択一。結局、上を選んで満足し、午後からの打ち合わせに出かけます。
よくある選択肢=松・竹・梅。どれを選びますか?あるいは、どれが選ばれていると推測しますか?
例えば、鰻重。きっと、何かおめでたいことがあったり、試験に備えて力をつけよう、精をつけようなんていう場合が多いかもしれません。すると、
「梅じゃなくて奮発しようよ」
となるのでは?でも、
「松は高いんじゃないの?誰かに奢ってもらうなら、悪いんじゃないの?図々しいんじゃないの?」などと葛藤があり、
「じゃあ竹で」
などと落ち着くのではないでしょうかね。
仮に松=5000円、竹=3500円、梅=1800円だったとしたら、単品で3500円を提示されると、高く感じてしまうかもしれませんが、1800円と5000円の間だと、3500円も許容範囲の価格に感じてしまいます。
でも、お店側も、松が沢山売れるのがよいとはいえ、消費者心理は把握しているので、竹が売れればよい価格設定をしているはず。むしろ、梅が主流になるよりは、いいのです。
安い価格を追求すれば、どんどん返金価格帯は下がっていくでしょう。かといって、高い価格で構成すると、客足は遠退く可能性が懸念されます。安い価格で集客し、高い価格を基準にして、中間価格をえらばせる。。。だから、お店の力を中間価格の商品により力を入れていく。。。すなわち、真ん中が一番お得になり、満足度も高くなっていく価格構造になっていくはずです。
以前の記事より。
この点フォルクスワーゲンは、価格戦略で自分でデフレを加速させないように努力しています。
日経新聞 経営の視点 VW高収益の秘密 ぶれぬ価格、デフレと無縁http://www.nikkei.com/article/DGKDZO54945610S3A510C1TJC000/
同社の価格戦略は、「最低価格を無闇に下げない」ことにあるとしています。「最低価格を下げるとどうしてもその価格帯の製品に流れますから、台数が売れても売上額が大きくならず、売上額を維持するために更に最低価格を下げることになる。」同社では、250万円以下の車種は2種類しかないそうです。
対して、「HONDAで一番売れているのは、シビックでもミニバンでもなく軽自動車」ということは、最低価格戦略の重要さを表しています。
とはいえ、価格政策は難しいです。
某社への最初の提案時、私としては、”思い切って”値段を高く出した所、
「え!そんなに安いの?」と驚かれ、しまったと思いましたが時既に遅し。
以来、5年間も同じ価格設定でサービス提供中。。。。