【ODRピックアップ】20160106「稀少資源の最適な利用の学問」
フェルドマン博士の日本経済最新講義
の前書きでは、経済学とは、
「稀少資源の最適な利用の学問」
だと述べられています。
「稀少資源」の「最適な」「利用」。
「資源」といえば、思いつくのは、
石油、土地、金、ダイヤモンド、レアメタル、その他の鉱石、観光資源、風景、領土、領海、海洋資源、宇宙空間、空気、酸素、穀物、食料となるもの。。。
つまりは、絶対量に制限がある「稀少な資源」を、それぞれにとって都合のいいように「最適な」量や方法で「利用」しようとするのですから、取り合いのための、駆け引きになり、交渉になり、頭脳戦になり、果てには、力づくの奪い合い、武力行使、戦争にもなるわけです。
量的に分割分配できるものもあり、ルールで分けるものもあり、この分配や所有、確保の仕方での争いがイデオロギーの違いによる東西冷戦でした。
交渉の方法は、物々交換で始まり、貨幣を媒介とした取引となり、取れ高や流通量によって、価値が変動し、金融市場が生まれ。。。経済は、武力によらない平和的な奪い合い、分配の方法となります。
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ところで最も稀少な資源はなんでしょう。
量的ならレアメタル?ダイヤ?
枯渇するかもしれない石油?
Only oneとなる領土?観光資源?
石油や土地、鉱石や穀物は、最初に投資をしなくてはその権原的所有はできませんが、蓄積したり、使わないで温存したりもできます。とっておける。
ここからは個人的な見解ですが、なんといっても稀少なのは、使おうと使うまいと消えていってしまう「時間」ではないでしょうか。時間は誰にも平等にやってきますが、使わなくても過ぎていく。どのように有効に使おうとも、無駄に浪費しても、まったく使わなくても自由(浪費という概念はないのかもしれませんが)。そして、留めることができない。石油や土地と違って、備蓄できない。
ただし、時間(資源)でも、売ることはできます。パートタイムで働く時給。職種の価値(大変さ、希少さ、危険など)で、高くもなり安くもなる。買う事もできます。自分がやりたいことを自分の持ち時間だけでやることは不可能ですが、誰かに依頼すること、すなわち誰かの時間を買うことで、自分の実現したいことをやってもらう、手伝ってもらうことが可能です。時間も、「稀少資源の最適な利用」の対象となりうるのです。
石油、土地、金、ダイヤモンド、レアメタルなどの、稀少資源を活用する経済に関わるには、それなりの資本=元手が必要となりますが、時間資源は自分のもの。工夫次第でいくらでも、活用できる可能性を持っています。
「仕事は、お金を稼ぐ手段に過ぎないから、なんでもいいから会社に入って働いて給料をもらい、そのお金を好きな事に使おう。。。」などと思いました。そしてできれば楽して稼ぎたいと。9時から5時の公務員がいいとか。営業はつらいから事務職がいいとか。若い時でした。
娘らも今、同じようなセリフを吐いています。(でも、いずれ気づくと信じています。)
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ドラえもんの1シーン。
インターネットの始まりの「夢のビジネスモデル」。広告がクリックされることで広告料を稼ぐビジネスモデルが期待されていました。
のび太くんがいいます。
「どらえもん、この広告をクリックすればその分だけ僕にお金が入ってくるんだ。だから、僕は毎日クリックするよ。そうすれば、あとは遊んで好きな事をしてくらせるんだ。」
ドラえもんの答え。
「のび太くん、いい考えと思っているかもしれないけど、遊んで暮らすくらいのお金をクリックで稼ぐには一日中クリックし続けても時間が足りないよ。遊ぶ時間なんてないことになるよ。」
時間をいかに有効に使うか。今年のテーマです。