ODR Pickups/半蔵門ビジネストーク

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

【ODRピックアップ】20160208 保険金は支払われません

【ODRピックアップ】20160208 保険金は支払われません

 

協業先の中国企業(機関)にメールを出そうかどうか、迷います。

「ふざけるなよ~」と怒られるかもしれないし、

「(こんなときだから)答えにくい」かもしれません。


ついつい配慮してしまう日本人な私です。

同国へ出張を予定している人は思案していることでしょう。
「取引先は、"政治は政治"、"経済は経済"と言ってくれている」という声もよく聞きますが、いくつか報道されている暴行等の事例を知ると、本人よりも家族や会社、親族からストップがかかると思います。

それでも、仕事への使命感から、あるいは「な~に、大丈夫さ」と渡航する、あるいは、せざるを得ない人もいるでしょう。空港の保険カウンターで「万が一、昨今のほら、暴動に巻き込まれたら保険金はでるよね?」と聞いてみたくもなるもの。

例えば、損保ジャパンでは、


第7条 保険金を支払わない場合

戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱、その他これらに類似の事変。

「保険」は、
「一人の災難を大勢が分かち、わずかの金を捨てて大難を逃れる制度」(福沢諭吉
「万人は一人のために、一人は万人のために」(マーネス)

できれば発生しないほうがいい「大難」に対して、少しずつ費用を分担して積み立てておき、イザ事が起きたら、難にあったところに保険金として支払って被害回復に役立てるのですが、当然、積み立ててある金額より大きな保険金が発生すれば、支払うことができません。

 

日本損害保険代理業協会
http://www.nihondaikyo.or.jp/insurance/08.aspx

「保険とは、将来起こるかもしれない危険に対し、予測される事故発生の確率に見合った一定の保険料を加入者が公平に分担し、万一の事故に対して備える相互扶助の精神から生まれた助け合いの制度で、私たちを取りまくさまざまな事故や災害から生命や財産を守る為のもっとも合理的な防衛策のひとつです。」

 

"予測される事故発生の確率"

をどのように考えるかが重要になります。そこで前述の条項=保険金を支払わない場合の"戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱、その他これらに類似の事変"が重要になります。これらの"事変"は、多くの人命、人身、財産などが失われ、傷つけられ、損傷、損壊する可能性が高い。つまり、大きな保険金を支払うことになるわけですが、それを確率に組み込んでしまうと、加入者の負担=保険料が大きくなり、保険料が負担になってしまいます。多くの保険では、そうした"事変"を確率に組み込んでいないため、保険金を支払わない場合としています。

 

ただし。この条項には続きがあります。
「ただし、テロ行為(政治的、社会的もしくは宗教・思想的な主義・主張を有する団体・個人またはこれと連帯するものが当該主義・主張に関して行う暴力的行動をいいます。)を除きます。」

テロ行為による怪我等は、「戦争危険等免責に関する一部修正特約」により、保険金の支払対象となります。

詳細には、補償範囲がテロによる交通手段の遅れに伴う交通費、宿泊費、通信料金などに限定されたり、上限額があったり、あるいは別途テロ特約があるなど、保険会社によって異なりますが、

「確率」的には、戦争等に比べると多くの人が巻き込まれる可能性が低い

ので、支払いの対象になっています。

というわけで、今回は機内でじっくりと保険約款を読んでみたのでした。

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目がショボイです。