ODR Pickups/半蔵門ビジネストーク

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

【ODRピックアップ】20160427  「インテグレーター」の落とし穴

【ODRピックアップ】20160427  「インテグレーター」の落とし穴

 

 インテグレーターとは、インテグレートする人。確か1986年ころから、それまで情報システムといえば、ハードウェアメーカーが主導して、ハードウェアは勿論、周辺機器やネットワーク環境、ソフトウェア、設置工事、導入後の運用に至るまで、一手に掌握していたのですが、オープン化によって、特定のメーカーに依存しないシステムが構築できるようになりました。すると様々な機器別、サービス別のメーカー間の調整が重要となり、全体を統合して安定稼動させるための情報システムの開発事業者の位置付け、役割として、「インテグレーター」が登場します。最初は、(現)経済産業省の認定制度として開始されました(平成21年にはその登録制度は終了しています)。

 

制度があろうとなかろうと、仕事として何かを受注したのなら、”それ”を完成させ、想定した動作をするところまでキッチリと仕上げる、”それ”を見届けるところがプロとしては当然なのはいうまでもありません。恐らく、各事業者さんも、みなそのように自覚して、そうなるように努めていることと思いますが、現実の現場では、じんわりとほころびがでてきてしまうことがあります。

 

「インテグレーター」に一括で発注した場合でも、どうしても、発注者(顧客)が監督しなければいけない部分が出てきてしまいます。例えば、(システム設置や増設を含んだ)オフィス改造で室内の施工業者さんが元請けになっている場合。通常は、彼らが「インテグレーター」として、設備や電気工事、電話工事、配線などを仕切るのがよいのですが、一部の担当業者さんが直接顧客と契約を結んでしまう(取引の慣例などで)場合があります。

すると、元請け「インテグレーター」としては、商取引上の取りまとめ対象ではないので、その業者さんとの調整は、顧客の誰かが行うという理解になってしまいます。

一方、顧客としては、元請け「インテグレーター」が調整してくれると認識。すると、情報や調整のエアポケットができてしまうのです。

 

元請けX社「”この部分”気になっているんだけど、業者Aと打合せしていないよね」

元請けX社「でも、業者Aはお客さんが直接契約しているからね。きっと、調整できているはずだよ」

業者A「元請けX社さんも、お客さんも、何もいってくれないけど、”あそこの部分”はどうするんだろう?”普通は”こうするはずだからこれで準備していこう」

 

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かくして、”この部分”と”あそこの部分”の認識違いと調整もれにより、全体がうまくいかないということは、実は伝統的によくあるトラブルとして、現場での調整で対応され、事無きを得てきているのです。まあ、ある意味、”慣れてる”。しかし、規模によっては、調整では済まないこともあります。

 

防止策としては、事業者間で、常に情報交換、情報共有をしておくこと。そして、常にリーチングアウト。

www.amazon.co.jp

 

「リーチングアウト」とは、手を少し先へ延ばすことから、「支え合う」意味あいで使われています。自分の本来の首尾範囲のちょっと先のところにも気を配ること。

以前、登山家の今井通子氏が、どこかのシンポジウムで話していたことです。

今井通子 - Wikipedia

実は、仕事をする上でいつも心がけています。

 

配慮、気が利く、ソツがないetc...いろいろな言い方がありますが、要するにそういうことです。「インテグレーター」としての神髄も、実は技術以外のこういう部分なのかもしれません。