【ODRピックアップ/半蔵門ビジネストーク】20170321 NPO法人 じゃこネット主催 「世界消費者権利の日 記念の集い」
座談会のパネリストとして、これに出ました。
じゃこネット主催「世界消費者権利の日 記念の集い」
プログラムは、
日時: 2017年3 月15日(水) 18:00〜20:30
場所: 中央区八丁堀区民館 6号室
中央区八丁堀4-13-12
東京メトロ日比谷線、JR京葉線「八丁堀駅」徒歩2分
http://chuo7kuminkan.com/about/hachobori.html
内容:
18:00-18:05 開会挨拶: タン・ミッシェル じゃこネット理事長
18:05〜19:05 ドキュメンタリー映画上映:
「チェンジメーカーズ〜消費者の権利のための闘い~」
19:05〜19:25 映画に関する感想、消費者権利の日の意義について
松本 恒雄氏(独立行政法人国民生活センター理事長
休憩 (5分)
19:30〜20:15 座談会
テーマ:「デジタル時代における消費者の権利〜ODRの役割」
この中で上映された映画「チェンジメーカーズ〜消費者の権利のための闘い~」は、消費者権利のために戦った人たちが多く登場し、ケネディ大統領の秘蔵映像なども含まれた貴重なフィルムです。
私の出番は、最後の座談会のパネリストでした。
座談会では、CI(Consumer International)の問題提起を受けて、
- ODRとは何か?
- ODRの利用シーン、メリットは?
- 海外の状況はどうなっているか
- 日本でODRが発展するためには何が必要か
などが紹介され、参加者からの発言、質問や議論もありました。
この模様は、後日まとめられて、前述のCIでLibe Blogとして紹介される予定です。
ODRは、1990年代前半から、インターネットの普及とともに、オンラインで発生した紛争(当初は、性別詐称やオンライン詐欺など)の解決手段として注目され、さらに電子商取引の普及に伴い、裁判に向かない少額紛争の解決手段として、eBayなどで実用化され、今では、離婚紛争や保険金の交渉の自動化などにも適用例があります。
2001年に米国で出版された最初にODRを扱った「Online Dispute Resolution」(著者:Ethan Katsh)では、ODR(テクノロジー)を4th party(第4者)と位置づけ、距離や時差を埋めて、司法への利便性を高める手段として、また、重要人物の移動リスクを削減するものとして、活用への提言をしています。
この数年の間に、本格的な投資資金も動き始め、システム化による実用化が進んでいる国があり、欧州では法制化されてきています。
各国で個別にODRシステム(的なものも含めて)が整備され始めていますが、クロスボーダー紛争では、さらに相互連携のためのシステムが次に必要になってくるだろうと考えています。ただし中央集権的なシステムは管理面で実現が難しい。どの国が管理保存するのか、そのための法制度はどうするか、特に、個人情報の越境など解決すべき問題も多いからです。
日本では、ADR機関なども含めて(少なくとも)苦情相談の申し込みの入り口はオンライン化していけるのではないかと考えますが、(便利になることによって)相談が増えすぎると対応しきれないという懸念もあるようで、なかなか進まないの実情です。この点は、万能の入り口を造るのではなく、専門特化したそれにすることによって、紛争の内容を明確化することができるのは、ODRでの各種の実験が示しています。
日本だけでなく、各国ともにたくさんの法曹の方々がODRに関わってきてほしいと考えます。