ODR Pickups/半蔵門ビジネストーク

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

【半蔵門ビジネストーク】20170817 越境取引のクーリングオフまたは返品の期間はどうなるか

  【半蔵門ビジネストーク】20170817 越境取引のクーリングオフまたは返品の期間はどうなるか

 

※本日より、ベトナムで開催されるAPECのPPD(Public Private Dialogue)に出席するために月曜日まで出張です。

 

 

クーリングオフ制度とは、文字どおりクーリングオフ=頭を冷やして考え直す制度です。

クーリング・オフって何?(見守り情報)_国民生活センター

 

買う予定のなかった消費者

訪問販売や電話勧誘を始めとする”買う予定のなかった消費者”に考える余裕を与えない販売方法で販売された場合に、消費者が「よく考えて見たら買うべきでなかった」とあとで気がついた時に取り消しのできる制度として整えられたものです。

 

そういう趣旨なので、主体的によく考える時間があると考えられる通信販売には適用がありません。インターネットでの購入も同じで、たとえ本当は衝動的に購入してしまっても、クーリングオフ制度の適用は受けられません。

 

ネットで購入したものの返品は

ではネットで購入したものの返品はどうなっているのでしょうか?

 

インターネットでの取引は、特定商取引法での通信販売にあたります。

(電子商取引及び情報財取引等に 関する準則 平成29年6月 経済産業省)

http://www.meti.go.jp/press/2017/06/20170605001/20170605001-1.pdf

特定商取引法上の「通信販売」(特定商取引法第2条)に おける法定返品権(特定商取引法第15条の2)により、広告に返品特約が付されていない商 品又は指定権利の販売については、一定の条件のもと返品(売買契約の申込みの撤回又は その売買契約の解除)をすることができる。

クーリングオフではありませんが、事業者が返品の期限や条件を示す返品特約を規定している場合(例えば、返品できませんとか、3日以内にとか)は、それに従ってですが、規定がない場合やわかりにくい場合、表示が見つけにくい場合には、「法定返品権」が認められ、商品の引き渡しを受けた日から8日以内であれば取り消し返品することができます。

 

越境取引だとどうなる

これが越境取引だとどうなるのでしょう?

http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201207_01.pdf

 

 (1)その国のクーリングオフが適用される場合

多くの国はクーリングオフ制度を採用していますので、相手国事業者からみると、その規定に従えという場合が考えられます。その場合は、それぞれの規定によって返品や解約の申し込みをすることになります。問題になるのは送料の負担がどうなるかということですが、これも規定に従って行なわれることになります。適用できる期限などは日本とは異なるかもしれません。

(2)海外消費者には適用外の場合

しかし、

「この規定は国内向けだ。海外からの購入には適用されない」

と規定外だと主張してくる場合がありえます。 しかし、その場合は、2007年の「法の適用に関する通則法」により、”準拠法の合意がない場合は、日本法を適用できる”ので、該当する場合はクーリングオフの権利を主張できます。クーリングオフが適用できない場合は、法定返品権で解除や返品の意思表示を通知して交渉することになります。

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実際の越境取引サイトではどうなっているのかというと、

例えばeBay

これは個人取引ですが事業者でもよく利用されています。ここでの取り消しは返品規定を見て見ましょう。返品や取り消しの手順としては、

Returning an item

  • システムのマイページから返品意思や理由を連絡する
  • 返品用ラベルを印刷して貼付
  • 連絡してから5営業日以内に返品(発送なのか到着なのか不明確)
  • 送料は多くの場合”購入者”負担 

解約できる期間

さらに問題になりそうなのは、送料に加えて、解約できる期間です。

前述のeBayでは、5営業日がよく出てくる数字です。クーリングオフでは7日間、法定返品権では8日間ですが、これらは、返品意思表示到達までの期間なのか、物品が返品されてくるまでの期間なのか?

今では意思表示はeBayにもあるようにオンラインで、すぐできるので、物品の返品到着までを含めた期間と解釈できるでしょう。そうなると、例えば、8日は輸送時間を考慮すると短いようにも感じます。少なくとも、返送に船便指定はできない可能性が高い。期間内に品物が返品先に届くように送料が高くなったのではこれまたおかしな話です。まるで返品を諦めさせるかのような。。。

 

eBayでは、海外からの購入者を考慮して相手国のことも配慮してポリシーを作ることを推奨しています。

Creating your return policy

越境取引の場合は特に、

  • 返品や返金にどれくらい時間がかかるのかを明記
  • 返金は(支払い方法に応じてだが)5日営業日以上に設定するべきではない

 とも推奨しています。

 

アイデアとしては、越境取引の場合のポリシーを明確にすること、返品期間は一定の期間を考慮することが解決策になるのではないでしょうか。国内が8日なら、8日+8日で16日とか?

今後の議論に注目しています。