【半蔵門ビジネストーク】20170822 等価交換
すでに錬金術は実現不可能とされているが、漫画「鋼の錬金術師」の名言の一つとして有名な「等価交換」。漫画の中である価値を手にいれるために同じ価値のものが必要なのだという名セリフがある。
いいものを手にいれるには、それ相応の価値を支払うことになり、安く手に入れようとするとそれなりの価値のものがくる。
経済においては、いいものなのに支払う金銭が小額で済むことがあるようだ。しかし、それは、あなたが金銭を支払っていないだけで、別の等価のなにかを支払うあるいは渡しているのではないかと疑うべきだ。
格安携帯
中国製の格安スマホにスパイウェアが仕組まれ、個人情報が無断で中国政府に送信されているのではないかという疑惑。
事実、ソフトウェアが発見されており、うっかりミスと釈明されているが、経済的には、スマホの価格を消費者からとれなければ、なんらかの歪みが出ているはずだ。例えば、従業員の給料が安いとか、劣悪環境=工場維持などの固定費が安いとか。いずれも労働問題になりうるので、今時そうそうおおっぴらにはなっていないだろう。株主配当が少なくなっているとか、経営者の給料が0だとか?いやたかが知れている。すると、不足分をどうしているのか?別のところから受け取っている?しかし、そんな殊勝な人がいるだろうか?不足分を等価交換で何かを売って得ているとしたらなんだ?それこそ、仕組まれたスパイウェアから盗み出す個人情報かもしれない。ありうる話。
格安航空券
夏休みを迎えて、アジアブームも最高潮。タイのドンムアン空港で入国審査4〜5時間待ち。格安航空が利用する同空港で窓口で対応する係員がおらず入国までの待ち時間が問題になっている。
格安航空は文字どおり破格の値段で海外航空券が利用できるわけだが、安くできる=今までにないような革新的な技術がない限り、どこかでコストセーブをしているはず。これまた職員の給料、安い燃料は品質が悪いかもしれない、空港利用料の安い空港の利用。。すなわちなんらかの費用例えば人件費がセーブされているのだろう。
消費者として、安い方安い方へ走るのは賛成しない。低賃金のニュースに反対するなら、労働環境改善に賛成するなら、ブラック企業に憤りを感じるのなら、安いものを買うことに走り過ぎないでほしいのだ。