政治家が足を組む理由【半蔵門ビジネス雑談】20180507
アメリカを始め欧米諸国で企業の人と会うと足を組んで話をする人が多いと気付く。
敵意はありません
一番最初の体験は、イスラエルからきた若い社長。最初の面談でいきなり足を組んでいたのにはお行儀良く育った(?)自分としては、カルチャーショックだった。しばらくは、”イスラエルの特徴”としてネタにしていたのだが、後にそれらは日本と欧米とのマナーや習慣の違いだと判って来た。
理由の一つは、リラックスしていることを示し、
「なんでもフランクに話しましょう」
というサイン。無意識だろうがそういうことらしい。
今年の年初のTV番組でクイズ形式で欧米人の足組みを取り上げていたが、そこでの説明では、足を組むことによって
「私はすぐに立ち上げって攻撃したりしませんよ」
という意思表示だというのもあった。これも、なるほどだ。
こうしたマナーは、先人たちの知恵だ。それも多くは、誤解から始まる無益な闘いを避けるための。
マナーは闘いの防止
テーブルマナーは、先人たちの知恵の結集だ。すべての動きに意味がある。 | 西洋料理の30の基本テーブルマナー | HappyLifeStyle
欧州でも中世まではマナーなどなく手づかみで食べていたと言われています。しかし、戦争を含む様々な理由での国際的な交流が進み、異文化で異なる歴史背景の国々が食事の席をともにすることになりました。推測するに、ちょっとした無作法(と解釈できそうなこと)を理由に、戦争を仕掛けることなどもあったのでしょう。ナイフやフォークの音は剣を抜いた音と間違われたり、スープを啜る音は、相手への侮辱となったのかもしれません。なるべく音を立てずに、皿の底を相手に見えないように、こうしたことがマナーに繋がっていったと思えます。
また、西欧では、外での食事は社交の一つで、そこでは、上流貴族が会していました。マナーができるかできないかは、一種のドレスコードのような位置づけで、できないと下品な、下等な人であると見なされていたとも言われています。
汚くしない、汚いところを見せない、など、(手づかみで食べていた時代の)「動物的なものからの脱却」にあるとも言われています。
政治家が、会談するときに、日本の首相は膝に手をおいて礼儀正しく、米国の大統領は足を組んで横柄に見える。TV解説や知識人は、日本が属国扱いと揶揄するが、実はそうした背景がある。日本はキモノ文化で足を組むことが難しいし、寒いし、という理由もあったのかもね。
どれが本当なのかは、問題ではなく、様々な側面があることを頭に入れておくことで、冷静に考えて無益な争いを避けたいものだ。