半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

結果だけを徹底するか、手順まで徹底するか

結果だけを徹底するか、手順まで徹底するか【半蔵門ビジネス雑談】20180629

 

中国出張に使ったのはエアチャイナ=中国国際航空だった。キャビンアテンダントは全て中国人。機体が小さかったせいで乗員キャパシティも少なく、ファーストクラスは12席。エコノミーも左右に3列。だからANAとの共同運航便なのに日本人乗務員がいなかった。

 

往路は外国に行く感覚が強く、サービスの内容や質の違いはあまり気にならない。寧ろ異国に行く感が心地よいくらいだ。

帰国便は同じようなスタッフ構成だがこちらの意識が違うのだろうか。サービスできになることがあった。それは、外国人向けの入国カードと税関申告書の配布だ。

 

配る手際が悪い

乗客が席についてハッチが閉められ安全関係の説明がアナウンスされつつ、一部のスタッフが、入国カードと申告書の配布を始めた。カードを手に持って前から歩いてくる。見ていると気づいた乗客が手をあげたりしている。CAが手渡す。ここまではいい。しかし、3列のうちどう見ても3名とも外国人なのに手を挙げていない人には配布しようとしない。しかも、彼女からみて左の列には首を向けているが、右の列を見ていない。右列に手を挙げている人がいるのに気づかずに進んでしまっている。そして呼び止められる。戻る。手渡す。そしてまた右列を見ないで左列に目配り。また通り過ぎた右列から呼ばれて戻る。手渡す。

ついに私のいる列に来た。左列の欧米人に渡す。私の左は中国人の女性だったが、例によって右列を見ないで手を挙げているのに通過しようとしたので私が引き留め「彼女にカードを」というとやっと渡して、また次へ。今度は私に渡すべき「税関申告書」を渡さずに。思わず先の中国人女性と顔を見合わせる。今度は彼女が引き留めてくれた。そして戻って来て私にカードを渡す。

 

日本人スタッフは、私が経験した限りではこういう場合、

全てのカードを全員に見せながら、全員に必要か確認しながら、もちろん、左右を見ながらいくので、よほどよそ見でもしていない限りは渡しそびれはなく、戻ってくることも非常に少ない。

 

これに慣れているせいか非常に不思議だったので、何が違いなのか推測してみた。

 

結果かプロセスか

おそらく中国人CAはこう思っている。

  • 全ての乗客に聞いていると必要のない客にまで聞くことになり効率が悪い。
  • カードが必要な客は手をあげるからそこにだけ渡す。手を挙げない客はすでにもっているという前提でいる。
  • 呼ばれたら戻ればよい。
  • 結果的にカードを持たない客がいても降りてからも入手できる

 

日本人スタッフの動きからはこう推測できる

  • 機内でカードを入手できないと乗客は降りてから探すことになる
  • 降りてから記入することになり空港が混雑する
  • 機内で渡せば退屈な時間に余裕を持って記入できる
  • だからなるべく機内で配布すべきだ
  • そのためには、全員に確認して、乗客の顔を見ながら臨機応変に配布すべきだ
  • そのほうが結果的に混雑減りも満足度もあがるだろう

 

これらは、結果(効率?)重視(前者)とプロセス重視(後者)の違いでもある。効率だけを見ると前者が目的合致するが、顧客商売で重要な顧客満足を考えると当然顧客への接点でもあるプロセスがそのまま顧客満足度につながっていくだろうと容易に推測できる。また、空港サービス全体の効率化の問題でもある。

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ん?ちょっと待てよ。。。そういえば、往路の成都着陸前に、入国カードを配布していたときは、全員に配っていたようにも見える。もしかすると、中国入国時は、外国人がすぐに見分けられるので、渡す必要のない中国人には配布しないで手を挙げた人あるいは見分けがついた人にだけ渡していたのか?

逆に日本便にも、日本人はいたもののそれほど多くなかった。欧米人は見分けがつくものの、中国人は日本人にも見えるので、それで前述の行動なのか?でも、税関申告書は全員必要なのだからやっぱり全員に渡す前提にしたほうがいいのにね。

 

(はてな1195記事)