ODR Pickups/半蔵門御散歩雑談

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このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

天空の矢はどこへ?

天空の矢はどこへ?【読書/映画感想】20180903

 

あらすじ

ウォーカロン※1の未来では、人間はそう簡単には死ななくなっていて、テロリズムの方法も人質が意味をなさなくなっていた。つまり蘇生できるので、人質をたてにしても突入されるのだ。また自爆テロも減少傾向。犯人も自爆しても蘇生させられてしまい、裁判にかけられ、長期に収監されることになるからだ。

ウォーカロンの会社の幹部が乗った飛行機が行方不明になり、その会社の施設でテロらしき行為が発生した。解決しようと突入した部隊が帰還せず、その後、酸素欠乏により多くの死者が出たことが判明し、人工知能のメモリが消去された。しかし、実際は人工知能のメモリが大気圏外に出た飛行機に転送されたことがわかってきた。

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争う理由

歴史は争いの歴史でもある。それはいつも領土を広げることに端を発していた。作物や生存の場所を確保するために土地が必要だったからだ。それは肉体の維持のためでもあった。しかし、体がいらなくなればそれも必要がなくなるだろう。

 

人工知能の自己防衛

土地では争わないとすればテロの目的は?

人工知能は肉体がない。自分を維持するためには、自分が壊され消されないようにする。そのために自分を逃し、メモリを消すという行為に出た。それは自分がいなくなったと見せかけるためだ。如何に自分の痕跡を消すか。

本作では、それが飛行機の遭難事故であり、研究施設でのテロ?であった。

その目的は、ポストインストールの解除という禁止された行為の隠蔽。それは、人間を作る行為だ。つまり、クローンはすでに作れたのだ。ポストインストールはそれをクローンではなく、人工的な物にすることで、クローンではないと定義する取り決めによる行為であったにすぎなかったのだ。

すでにクローンはできていた。 それを可能にしたのは人工知能自身だった。

 

産み、育て、引き継いでいく

作中の未来では、子供が産まれなくなっていく。その代わりに再生ができて、治癒もできて、長生きができるようになっていく。世代によっては死を想像できない世代があり、子供が産まれないことによる不安すら覚えない世代がある。死ななければそれでもいいじゃないか?産まれたときから長生きがわかっている世代には、子供が生まれずにいることの未来への不安や恐れがないそれはすなわち希望という概念も薄れていくことになるのかもしれない。

 

※1 Wシリーズ - Wikipedia