日日是好日【読書/映画感想】20190304
樹木希林さんの遺作となった作品だ。
欧州出張の最中に国内業務でいろいろと問題が発生し、イライラし、むずむずし、でも平静を装い、出張業務をこなしていたが、帰路の飛行機の照明の消えた暗闇の中では不安定な気持ちが爆発してしまった。
見たい映画もない。
お笑い番組も飽きてしまい、ドキュメンタリーは少々荷が重い。
チクチクとクリックして邦画のタイトルをいったりきたり。
するとこの作品の解説が目に止まった。
24年間お茶(茶道)を続けた女性の物語。
日日是好日。
毎日毎日が素晴らしい。
(何気ない日常が続くことが素晴らしいことなのだ)
習いにいったお茶の先生の部屋にかけてあった掛け軸だ。
一緒にお茶を習い始めた従姉妹は、希望の商社に就職し、退職し、見合いで医者と結婚し、子供に恵まれて、幸せのようだ。
主人公は、就職にしくじり、結婚に挫折して、自分がなんなのかわからないような気分にもなる。掛け軸の意味もなんだかピンとこない。フェリーニの映画「道」を見て、何が面白いのかと思う。
しかし、習い続けるうちに、お茶はいいなと思う。
型から入り、あとから心を入れていく。心のために、その受け皿のために、型がある。
問題が発生しても、まず、型通り対処し、そこにあとから心を、あてはめていく。
そういう安定の取り方もあるんだ。
極めて日本的なのかもしれない。
でも、その型があることで、社会が安定し、人々の心が安定し、生活が安定する。
日日是好日。
仕事のトラブルもそういうことなのだ。
明日からも普通に季節のように生きよう。