腰抜けは味方に怒る【御散歩雑談】20190603
ずっと心のどこかに引っかかっていて、今思い出したことがある。
高校時代。男子校だった。
仲の良い友人はたくさんいた。不良(ぽい)友人もいた。不良(ぽい)のクラスメイトもいた。
ある日仲の良い友人とふざけていたら、不良のクラスメイトが仲間に入ってきた。友人と不良は同郷の幼馴染だ。だから気心は知れているのだろう。ふざけているなかで、突然、不良クラスメイトが後ろから私の背中を蹴った。
「お前がやれよ」
何を”やれよ”だったかは忘れたが、理不尽な内容でしかも背中を蹴られたのでムカついた。が、そいつが少し怖かったのと、仲の良い友人と不良メイトの仲を壊すような気がして、仲の良い友人に怒鳴った。
「お前のせいだからな」
仲のよい友人は戸惑いながらもその場を納めてくれた。詳細は覚えていないがざっとそんな感じだった。
あの時なぜコトの原因の相手である不良クラスメイトに直接的に対抗しなかったのか。
その時も少し思ったが、これまでも時々ぼんやりと思い出しては忘れてもやもやとしていた。しかし、ずっと引っかかっていた。時々思い出していたりもした。
そして最近気がついた。
敵に怒るよりも味方に怒るほうが楽だ。安全だからだ。そして自分の怒りの矛先は確保できて、怒らなかった自分に向き合わないで済むからだ。
要は腰抜けだ。
腰抜けは味方に怒る。
さて。
これに似たようなことを見かける。
* * *
2月の終わりの米朝会談がうまくいかなかった。理由は様々だが一義的には当事国の問題だ。にも関わらず、日本の政治家に怒りを向ける人々がいる。対抗する政治家も、一般人も。世界の関係の一部にいる限り関係はあるだろうが、まずは当事国への怒りを表明しないのはなぜだろう?
北方領土交渉の相手は誰だ?なぜ味方である日本政府に怒りを向ける?
「なぜそんな誘いにのったのか?」と騙された人に怒りをぶつける。それを攻められるなら相談しなかった。。。
そのほうが角が立たないからか?いいたい内容は同じだからその先の相手に伝わると期待できるのだろうか?
きっと伝わらない。伝わっても「直接来ていないから」無視だとなるだろう。
* * *
敵に怒るよりも味方に怒るほうが楽だからだ。安全だからだ。そして自分の怒りの矛先は確保できて、怒らなかった自分に向き合わないで済むからだ。彼らは腰抜けだ。
腰抜けは味方に怒る。
少なくとも私は高校時代の自分のように腰抜けにはなりたくない。だから味方に怒りを向けることはしない。決して。