IT化は選択肢を明示する【半蔵門ビジネス雑談】20190628
5月に白い巨塔が放映された。 この作品はリメイクが多く、私が知っているのだけでも3作ある。
1作目1966年と1978年。主演は、田宮二郎。
2003年唐沢寿明主演。自分自身が胸腺腫用を摘出手術をして入院中に放映された。
そして、最新作2019年。岡田准一。
原作が同じなので、基本的なストーリーは同じであるが、時代に応じて小道具や演出が違っている。
キーになる事実は同じ構成。裁判となった患者死亡の原因となった事実を助手の医師が隠蔽してしまうところがポイントになる。1、2作目では、隠蔽は紙カルテの記載内容の改ざんであった。
紙カルテへの改ざんは、紙そのものの書き直しによる。紙を改ざんするには、修正液による削除や削除した用紙のコピーによる方法で行われた。改ざん者は、何度も葛藤をしたことだろうが、その過程は、あくまで心の中のそれである。
しかし最新作では、カルテ改ざんは電子カルテへの登録で行われた。
まず、最初は下書きとして、仮登録状態。ここでは、内容は上司にも報告されず未提出状態だった。その後、上司への承認を求めるために、内容を改ざんし、書き込みをして承認を求めるとき、2度に渡る確認メッセージがでる。
この内容でよろしいですか? =>はい、いいえ
その後、今後は
この内容で承認を求めますか?=>はい、いいえ
IT化は選択肢を明示する。
選択肢の明示により葛藤が明確に見えるようになる。
しかし、あまりにも明示されすぎて、もやもやした葛藤らしくなく見えてしまう。
最新の白い巨塔では、内容よりそんなことに目が止まってしまった。