【ODRピックアップ】20130711 標準時を2時間ほど
東京都知事の猪瀬さんが提案した「東京の標準時間を2時間進める」というアイデア。
日本版ニューズウィーク http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/05/post-560.php
因に日本の標準時は、明治19年の勅令(
そうか!標準時間って、国が単独で決めてしまっていいんだ?というのが素直な驚きでした。確かにこの時期(6月)であれば、日の出は現在の標準時4時27分(国立天文台 http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2013/hdni13132.html)。2時間進めて、6時27分としても、明るさの違和感はありません。
これまでの始業時間9時は、現在の時刻でいう7時に早まり、18時退社は16時になりますから、明るいうちに帰宅することができます。暗くなるまでにはまだ時間がありますから、家族との時間を持ったり、トレーニングや買い物、デート等々、有効に使う手段は沢山ありそうです。
しかし、ちょっと待って。。。翌日は、やはり現在時刻の4時27分に起床して、7時には出勤ですから、明るいうちに帰宅したからといって遅くまで起きているのでは体が参ってしまいます。これまで24時に就寝していた人なら、22時はベッドに入る事になりますから、余暇時間が増えるというわけではないしょう。
都知事の意図は、別の所にあったようです。
前述のニューズウィーク記事。
日本の株式取引市場が開いている時間は、9時から15時です。同じアジアの市場である香港、シンガポールとの時差は−1時間。株式市場でいえば10時から16時です。少し早く出勤して、少し残業すれば、東京市場の取引にも対応できます。これを東京を2時間早めると、
東京(現在) 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
東京(変更) 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22
シンガポール 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
米(東) 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
欧州 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
東京の朝一の時間が、シンガポール市場の朝6時からになり、対応できない時間帯となり、また、欧州も深夜24時なので、少し早く出勤して対応して。。ということができなくなり、結果として「東京市場を無視できない=オフィスが東京に戻ってくる」ということを期待しているというのです。
ニューズウィークの記事では、「それよりも英語でビジネスができないこと、会計処理制度などの要因が大きい」とコメントしているので、都知事の思惑通りにはいかないでしょうが、こういった”そんなことやっていいんだ?”的発想転換による大胆な枠組みの変更はとてもいいことだと思います。
これまで日米欧でリアルタイムな電話会議、TV会議を行おうとすると、欧州とはなんとか双方の勤務時間中にアレンジできたのですが、米国の東海岸とは、双方が残業もしくは早出しないといけませんでした。
東京(現在) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1
米(東) 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
欧州 21 22 2324 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
東京を2時間早めても、同時に3地域からの参加はやはり難しいのですが、東京がちょっと早起きして米国とミーティングして、東京の終業近くに欧州と朝一会議 。。。とすれば、情報の中心になれるのかも?
東京(変更) 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1
米(東) 16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
欧州 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
いや〜しかしやはり、欧米のほうが一致している時間帯が日中なので、そちらが中心になってしまうのかなぁ。。。