【ODRピックアップ】20131001 赤い羽根
改札に近づくと「〜ご協力お願いしまーす!」の声が聞こえて来ました。10月1日の朝、事務所のある駅は、近くにある女子大学付属の中学生が、改札に数人、地上出口に数人ずつ並んで連呼しています。みんな足早に通り過ぎていきます。
私も、普段ボランティアに関心を示さないくせに、その時の、その声に負けて小銭をチャリン。。。「ありがとうございました」と言われて、善意を満足させる。。それが、いやで通り過ぎていたのですが、今朝は、あまりにも寄付者が少ないように思い、中学生が可哀想になり、小銭をチャリンと。赤い羽根をつけてもらうのも恥ずかしいので貰って来ました。今の赤い羽根は針じゃない。シールみたいになっています。
赤い羽根共同募金は、戦後直後の1947年(昭和22年)、戦後復興の一助として、戦争の打撃をうけた福祉施設を中心に資金支援する活動として始まり、「社会福祉事業法(平成12年社会福祉法 http://bit.ly/dk1MhV に改正)」という法律をもとに活用されてきました。
この法律では、生活保護法 、児童福祉法、老人福祉法、売春防止法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法 、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法など関連する法律が、適切に運用されるように、社会福祉事務所の設置、設立や管理などについて、組織や資格などを規定しています。
募金で集まったお金の助成を受けるには、規定された人数のボランティアスタッフがいることなどが条件になっています。
赤い羽根共同募金は、災害などの例外を除いては、地域で集めて地域で使う方式だそうです。
使い途としては、
(1) 高齢者を対象とした事業 3,978,863 23.4%
(2) 障がい児者を対象とした事業 2,540,126 15.0%
(3) 児童・青少年を対象とした事業 2,000,620 11.8%
ここまでで約50%、
(4) 住民全般を対象とした事業 7,511,829 44.3%
ここまでで、95%。
全体では、約168億円が助成金として使われています。
助成件数は57767件なので、一件あたりは約29万円。
各県で実施された内容と金額を見ると、やはりそれくらいの金額が多いようです。施設の器具を購入した、お年寄りの送迎サービス、災害地の触れ合いイベント等々。
朝の募金の様子を見てもわかるように、募金額が減少していることが課題とされています。赤い羽根のホームページのQ&Aにもありますが、既に税金を払っているのに何故募金する必要があるのか?という疑問。確かにそうなんですが、募金や寄付が減るということは、実は社会が貧しくなっていく指標ではないでしょうか。
前述の「使い途」に出てくるような分野に、まずは任意の募金が廻らなくなり、社会が貧しくなると税金も廻らなくなる。。そしてインフラ以外の分野に廻らなくなり、かつてのイタリアのようにゴミが回収されなくなり、破綻したデトロイトのように、メンテナンスされない公共施設が増えていく。。。
経済より命だという声はよく聞きますが、命や福祉のためには経済が必要なのですよね。社会派ちりきんさんのブログ 2012-10-18 国が貧しくなるということhttp://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20121018
私と仕事とどっちが大切なの?という恋人の問いかけに似ています。君を大切にするために、仕事を大切にしないといけないんだと。。。