【ODRピックアップ】20150219 音声で操作できるスマフォは楽しいのだが。。。
家族が、iPhoneのsiri(シリ)で遊んでいます。
天気を聞いたり、電車の時間を調べたり。しまいには、無駄話を始める。
「今日は忙しいですか?」
するとsiriは、
「必要なときはいつもお呼びください」
と少し的外れに答えます。それはそれでなんだか楽しいようなむなしいような。
iPhoneだけじゃない。アンドロイドでもBlackberryでも、同じような機能を提供するアプリケーションが無料で利用できます。例えばBlackberryでは、Yahooが提供する音声アシスタントを立ち上げると、
「お話ができて嬉しいです。何をお調べしましょうか?」と聞いてくれるし、
IKEAのサイトにいけば、「Annaに聞いてみよう」のリンクから、質問ができます。
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/ikea_family/faq.html
夜遅くでも質問していいですか?と聞くと
私はお客様の質問にお答えするためにここにいます
と、健気です。
もうちょっと進化すれば(パターンを増やせば、あるいは、学習が進めば?)ドラマ「ナイトライダー」の車のようになってくれそうな期待も持てます。
ところで。
ついつい気になってしまうのが、これらの音声認識+回答の仕組みを元に行動し生じた結果についてです。基本的には、検索して調べた結果を表示しているだけなので、所詮は音声認識の精度の問題なのです。例えば、天気を尋ねれば、既存の天気予報サイトを調べてそのまま表示するか、それを元に表示方法にアレンジを加えているだけなので、googleで調べたのと同じです。それをどこまで解釈して備えるかはまだまだ人間の問題。晴れと言われて雨になって、洗濯物が乾かなかったとしても、まさか大きな問題になることもなでしょうが。
なかなか会話が通じなくて、受け答えで気分を害した?
T駅到着の最終電車は?天気はYahoo天気予報で調べてください。
田園都市線の最終電車は?時刻表はYahooロコ路線情報でご確認ください。
渋谷からT駅の最終電車は?0時25分発の電車があります。
欲しい答えを得るまでに聞き方を何回か変える必要があります。確かにちょっと苛々することはあるかもしれません。この点は文字入力の検索と同じ。これは、我々自身が「これは人間ではなく音声認識して検索するもの」だと理解しているから。
でも、ここまで進展しているプロジェクトも存在します。
人格をコピーしてあなたの代わりに仕事をするクラウド上の人工知能 - TechCrunch
こうなると、回答を信頼してしまい、結果についての問題がでてくるかもしれません。回答に対しての信頼が必要となってきます。以前にも記事にしましたが、自動運転車でハンドルを握っていない運転手(そもそも彼は運転手なのか?という問題もあり)の場合に事故の法的責任はどうなるのか?というのと同じ種類の問題が生じて来ます(【ODRピックアップ】20141009 人口知能の責任 - ODR Pickups/ http://odr-room.hatenablog.com/entry/2014/10/09/100427)
もう一つ気になるのは、セキュリティの問題。
音声認識を利用する際に知っておきたい注意点 | 音声認識ラボ by 東京反訳
http://www.8089.co.jp/onsei-ninshiki/115
ユーザーが話した内容は、音声解析されるため、また検索を行うためにサーバーに保管されることになります。メールなどを作成すれば、その内容も保管されますので、蓄積された情報が残っていればいつのまにか流出するリスクも存在します。事実、IBMでは、社員がSiriを利用することを禁止しました。
Siri の音声データは2年間保存−懸念されるプライバシーの侵害 - インターネットコム
http://internetcom.jp/allnet/20130422/6.html
現在の品質では、実用性としては、簡単な質問で遊ぶしかできないので、業務上の秘密などが保存されて漏洩する危険はないものの、ふざけてきいた風俗に関する質問が残ると思うと、恥ずかしいかもしれない。。。消してくれ。。。