【ODRピックアップ】20150408 秘密の存在は秘密でなければならない
仕事の後のちょっとイッパイ。何杯目かのおかわりのジョッキが運ばれてくる。それを半分ほど一気に飲み干すと、Nは自信たっぷりに言う。
「まあここだけの話、あの部長のやり方じゃ、うまくいくわけが。。」
仕事を終えたあとの飲み会でよく聞く典型的なセリフの一つ。
この”ここだけの話”は、同じ修飾語をつけられて広まり、
かくして、
「Nが発信元で部長を批判していた=Nは陰口をたたいた」となるか、あるいは「みんながあの部長はダメだといっている=だからダメなんだ」となるかは判らないが、”ここだけの話”は、ここだけではなくなります。
秘密を守るにはどうしたらいいのでしょうかね。
最近公開されたベネディクト・カンバーバッチ主演の映画「イミテーション・ゲーム」は、不可能と言われたドイツ軍の暗号装置エニグマの暗号を解読したとされるアラン・チューリング博士の苦悩を描いた映画です。
(以降ネタバレ)
苦難の末暗号を解読したチームは、暗号解読したことを秘密にしなければいけないことに気がつきます。チーム員の兄弟の乗った船だけでも回避させたいと考えますが、そうすれば暗号解読をドイツに知られてしまうので、あえて、攻撃を回避しないで見殺しにしてしまう苦悩。どの情報を有効に活かすかを秘密裏に扱い、誰にも知られずに(従って検証もされずに)大戦を勝利にかつ短期に終了させるための苦悩。
(ネタバレここまで)
秘密保持契約書には、”秘密は、秘密事項であることを明記”という条項が設けられる事があります。
【ODRピックアップ】20150318 秘密は”秘密”じゃないと秘密じゃない? - ODR Pickups/
でも、”本当の秘密”とは、その存在すら隠されているのではないでしょうか。秘密保持契約書にも、”本契約の存在及び内容並びに本件情報を甲の文書による事前の同意なしに第三者に提供、開示、又は漏洩してはならない。”
本契約の存在を漏らしてはならないというのは、
あそこの企業のあの件について知っているでしょう?と聞かれたときに、「守秘義務があるから言えない」とも言えないことになり、「知らない」というしかなくなります。すると、「知っている筈なのに知らないの?」という新たな不信感を産む事になりそうです。つまり、そんな重要な秘密を握ってしまったヒトは、もはや接する相手を限定しなくてはならなくなり、世捨て人的になってしまいそう。そういえば、よく映画のCIAを引退した人物はそんな設定もあったような気がします。
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ところで、本文とは関係ありませんが、ヒロインのキーラナイトレイは魅力的。
つい最近見たエンドオブザワールドも、パイレーツオブカリビアンでも、美貌とは別の不思議な魅力を醸し出しています。いいなぁ。。。キーラナイトレイ。。。