半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

【ODRピックアップ】20150514 ディボースドットコム

【ODRピックアップ】20150514 ディボースドットコム

 

米国の仕事関係者の立ち上げたODRの会社が、離婚専門のオンライン紛争解決サイトを立ち上げました。

https://divorce.modria.com/

もともと同社はeBayPaypalで紛争解決の責任者だった方が立ち上げた会社で、消費者紛争であれば25US$、商業紛争の場合でも、金額に応じて200US$から5000US$で紛争解決を扱っています。

 

今回の離婚専門のサービスは、一定の情報提供をすれば、無償で扱ってくれるようです。離婚紛争の場合は、金額的な節約はもとより、法廷で顔を合わせることを避けられる事、子供が居る場合にも負担を減らして影響を最低限に押さえて解決できるそうなので、メリットは大きいのではないかと解釈します。ただし、サービスは英語ベースで米国で行われているので、我が国のケースを扱ってもらうにはハードルが高いですし、裁定の有効性も認められないので利用はできないので、悪しからず。

米国の離婚調停では、当事者が時差がある東海岸と西海岸に離れていたり、DVなどの影響で一方が同じ法廷で顔を合わせる事を拒否するケースも多いそうで、オンラインでのサービスの潜在ニーズは高いそうです。今後の動向はまたご紹介しようと考えています。

 

さて、友人から離婚の相談を受けることがあります。勿論、最終的には弁護士さんをご紹介するのですが、非常にパワーのいることだと感じます。

既にいがみ合っているケースは勿論ですが、ある程度の円満離婚の場合でも、離婚届を目の前にすると様々な軋轢が表面化。いや、あえて穿らなくてもいいじゃないかと思う程。

例えば。

双方の両親の氏名を書く欄があります。離婚は二人の意思がベースになりますが、この欄を見ると親の顔を思い浮かべる仕組みになっています。せっかく決意したのに、ここでまた考えることになってしまうこともありそうです。

お子さんがいる場合は、親権と戸籍の問題が出てきます。離婚届には、親権の記載が必要ですが、これは未成年のお子さんがいる場合のケース。ここでよく出てくるのは、親権と戸籍の混同です。親権は、未成年の子供を、監督し教育し、場合によってはその財産を管理する権利と義務ですが、親権を得ても、戸籍が変る訳ではありません。戸籍は別の手続きで移動させることになりますので、離婚届=戸籍の移行になりません。

 

そして協議離婚の場合でも、証人が必要となります。これは本人たち以外の第三者にお願いしないといけませんので、二人だけの問題をわざわざ誰かに知らせる事になり、ヘタをすると余計なノイズが入ってくることになります。

 

さらには、協議の内容を離婚協議書として作っておいたほうがいいというアドバイスもあり、以下のような項目が一般的。

●子どもの親権者

●子どもの養育費(金額、いつまでに、支払い方法)

●面接交渉権(いつ、何処で、どのようにして、月に(年に)何回)

●財産分与(何をどのように分けるのか、割合や支払い方法)

●慰謝料(誰が誰に支払うのか、慰謝料の金額、支払方法)

円満離婚では、慰謝料はありませんが、そのほかは決めておきましょうか?ということになり、そうなるといろいろな条件交渉になってしまうため、円満だったのにもめるという状況にもなってきてしまうケースもありそうです。

 

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周囲の同世代の友人たちも結婚して20数年たつと、流石に離婚の話しは出てこなくなりましたが、仲良しだったのに離婚したら連絡がこなくなったと嘆いていた友人の友人がいました。なぜかと理由を聞いてみると。。。

「離婚は移る」ですって。

まだ実証されてはいないようですけどね。