【ODRピックアップ】20150526 漁師とビジネスマンの幸せ談義
社会人になって会社で働き始めたのは1981年。パーソナルコンピュータが普及し始めたころでした。NECの1982年発売の初代機「PC-9801」は、それまでホスト機がセンターのメインコンピュータ室にドンと置かれていた時代から、大きくその構造が変り始めた時代の象徴です。企業向けにはオフコンも普及しはじめ給与計算を計算センターに頼んでいた時代から各社のマシン室に自社用の小型コンピュータが導入され始めた時期でもあります。
自社にコンピュータがくる。
「それでなにが嬉しいのか?」
この質問にコンピュータを導入する立場のIT企業は、「今まで外部の計算センターに出していた計算業務が自分のところでできるようになります。コストの削減と自社でそうした処理をコントロールできるようになるのです。」と力説し、そしてオフコンが普及しました。
続いてパソコンの普及が始まります。各人の机にコンピュータが来る。
「それは嬉しいことなのか?」IT企業は答えます。
「情報システム部門に頼んで行っていたことが自分の机上のPCでいつでも自由にできるようになるのです。新しいシステムを作るのに費用と時間がかかっていたことを自分の手元で自由に効率的、効果的にできるようになるのです。」
かくしてオフィスは効率化されていきました。「単純で膨大な計算はコンピュータにやらせて空いた時間を有効に他の業務に使いましょう。」
できているかな。。。
有名な話がアニメーションで紹介されています。
経営コンサルタント(MBA)が休暇で小さな海沿いのフィッシングビレッジを訪れる。釣りをしている現地の漁師に尋ねます。
MBA「その魚をとるのにどれくらいかかるの?」
漁師「そんなに長くはかからないよ」
MBA「じゃあもっととればいいのに」
漁師「家族が食べる分んだけでいいんだよ」
MBA「残りの時間はなにをしているの?」
漁師「ゆっくりと睡眠をとって、子供との時間を過ごし、また釣りをして、ココナツの木の下で昼寝をし、夜は仲間とお酒を飲んで音楽を愉しんだりしているよ。幸せな時間を愉しんでいるよ。」
MBA「私はハーバードを卒業してMBAを持っているからアドヴァイスしてあげよう。貴方はもっと時間を使って働きもっと魚を捕りなさい。多く取れた分は売って儲けるんだ。もうかったカネを投資して船を増やしてもっと沢山魚を捕りなさい。売るのも仲介業者を経由しないで直接加工工場に売りなさい。更に範囲を拡げて、村を出て、加工工場も自分でつくってイギリスにまで進出して規模を拡大し、巨大企業にできるよ」
漁師「そりゃいったいどれくらい長くかかるのかね?」
MBA「10〜12年くらいかな」
漁師「それで?そのあとはどうなるんだ?」
MBA「もちろん株式を公開するんだ。そうすれば何十億も得られるぞ」笑いながら答えるMBA。
漁師「おーそりゃすごい。何十億かね。。。。。それで、そのあとはどうなるんだね?」
MBA「そのあとは悠々自適さ。引退して、小さな海沿いの村で、ゆっくり睡眠をとって、子供との時間を過ごし、釣りにいって、ココナツの木の下で昼寝をし、夜は仲間とお酒を飲んで音楽を楽しむのさ」
漁師「・・・・・」