【ODRピックアップ】20150609 Everything is negotiable? really?
はるか10数年前、イスラエルの会社と仕事をしていました。向こうにいったりこっちに呼んだり。あるとき、富士山の麓の合宿所で会議を行い、打ち上げの翌日にイスラエルからの客人の1人で、山登り好きが、富士山に登るといいだしたのです。もともとその希望は聞いていたのですが、ご存知のように、富士山は”山開き”が決まっており、丁度その合宿の日程では、山開きの2日前。「残念だけど入れないよ」とアドバイスすると、
「Everything is negotiable! 」(全ては交渉可能だ!)
と言い出したのです。
そりゃ昨日までの仕事の交渉の話だろ?笑
(以下イスラエルトークも日本語)
「いや!既に雪も見えないし登るのになんの危険もない!」
「無理だよ。そのあたりは厳格だよ。」
「自分でやってみる!通訳してくれ!」
「ごめん、無理!」
というわけで、結局当然途中までのドライブで諦めてもらいましたが、こういう無鉄砲な強引さは日本人の私には理解しにくいことでした。
変って2015年。
私はWTA(Wordl Trustmark Alliance)という国際連携で事務局的な立場でいるのですが、この組織は、新たに正規メンバーになるには、メンバーの合意が必要で、その合意を得る為に、自国内で活動実績を作り、その報告をもって、加盟条件に合意して正式メンバーとして調印するというプロセスを踏んでいます。経済的な出資比率的理由や、自国内でのプロセスのために加盟するという本末転倒は認めていません。なぜなら、”組織の目的が市場の信頼を得る事による”市場活性化だからです。
従ってこれまでの加盟国は、まずオブザーバーとして会議に出席し、2年くらいの自国内での活動での下地を作って、その成果を年次総会でアピールして、承認を得るという流れで、これまで8カ国から現在までに成長してきました。
ここ1年は、内部のガバナンスルールの見直しや、ガイドラインの見直しに着手したのですが、昨年から参加しているオブザーバー国が、そうしたガイドラインの見直しの内容に口を出し始め、さらには、「入るまでに時間がかかりすぎる。もうすぐ入れろ。遅い。時代遅れ」的なことを言い出したのです。「古いルールに縛られるのはいけない」とか、「いい意見は取りいれろ」とか。。。その二つは合意するけど、そもそもの「”組織の目的が市場の信頼を得る事による”市場活性化」なのですから、加盟のプロセスが非常に重要なのは明白。なんだか現在の国際社会でのいろいろな話にも繋がってきて、ある種の流れというか風潮をここでも実感しています。
(ちなみに中国じゃないです。中国は既にルールに従って加盟済)