【ODRピックアップ】20150811 言葉のウラなど読みたくないが
いじめによる中学生の自殺は痛ましいニュースです。ニュースを見ながら家族とも話し合いますが、学校側の調査項目13項目の内、いじめがあったと認められたのは6件でした。他の7項目は、そのように報じてはいないものの”いじめがなかった”というトーンで捉えられているかもしれませんが、実は、”なかった”と断定しているのではなく、本来は、”なかったことを確認できていない”のです。学校としては、13項目中認められたのは”半分以下だった”ということを印象ずける意図が、”ないとはいえない”と考えられます。
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そして、米国人男性による同居女性の殺人容疑。報道によれば、”殺して海に捨ててはいない”と証言しているそうですが、死因は溺死と判明しており、”生きている(気絶している)状態で海に落した”のが真実ならば、確かにウソは言っていないのです。
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私が長年関わったイスラエルでの訴訟でも、相手方の証人が、「私は、同社にxxxx年まで”行って”いた」と証言していましたが、弁護士による証人喚問で、事実は、”同社に社員として勤務していたのは、yyyy年までで、同社にxxxx年まで”行って”いたのは、アルバイトとして要請があれば”行って”いた。”ことが明らかにされました。ウソは言っていないですが、”行って”は”勤務していた”ではないのです。
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そして以下の報道。
元々、人民元を国際通貨として採用するかどうかを検討議論してたIMFが、”採用延期を決定した”という報道。理由は記事中にもあるレートに政府の影響が働いており自由化されていないこと、中国本土とそれ以外の場所でレートが一定でないことやAIIBなどの中立的でない機関に対する懸念からでした。詳細は記事を。
この事実を、NHKニュースは以下のように報道。
確かに、検討していたのが採用延期をされ、先送りになったので、検討からはずれたわけではありませんので、間違いではありませんが、検討されて見送られたのと、これから検討を始められるのでは、期待感が大きく違います。
ニュース提供者の意図や背景にある影響については不明点も多いのでここでは触れませんが、言葉の表現には表現者の意図する面が現れ、そのウラには別の意味もありうるということ、それが故に、複数のニュースソースを見て、その違いはどこからくるのか、それぞれのニュースソースの背景や意図には注意を払わないと、知らずに”踊らされている”こともあるということは意識しておきたいものです。
2013年にも同じような話題でポストしていたので参考まで。