【ODRピックアップ】 20150820 歌は世につれ〜
〜世は歌に連れ。。。だとすれば、書店に並ぶ本も、世につれ、世は本に連れるでしょう。読みたくなる本も、ふらっと立ち寄った本屋で目に留り最近買ってしまった本を並べてみるとそんなご時世と心持ちを表すという気がします。
(以下ネタバレ含む)
様々な偶然や意図した試みが重なりサイバー戦争が幕開ける。それは日常のちょっとした事故や事件として表層に現れるが、静かすぎて日常生活では気づかないほどに。例えば、列車の事故、工場の歩留まりが急に悪化する。。。米国の原子力発電所の空冷ファンが故障する。。。。日本では、サーバー攻撃を認識するが、憲法9条により国会での議論が進まず、反撃できないまま、危機になる。。。
Amazon.co.jp: サイバー・コマンドー (祥伝社文庫): 福田 和代: 本
リスクの神様
企業が直面する様々なリスクに立ち向かうリスクのプロたち。食品への異物混入、海外支社での誘拐事件、関連議員の秘密外交、CMに起用したタレントのスキャンダル。。。真摯に対応しなければいけないが、すべてを救う事はできないと割り切り、リスクを回避するために、別のスキャンダルは犠牲にしなければならない究極の選択へ。。。
Amazon.co.jp: リスクの神様 上 (小学館文庫): 百瀬 しのぶ, 橋本 裕志: 本
銭の戦争(1巻から8巻)
第一次大戦から第二次大戦への世界で暗躍する資本主義のアルゴリズムはもうとまることはできないのか。ラスプーチン、ヒットラー、米国のキングメーカー投資家、日本の天才教授と、天才投資家の頭脳戦、経済戦。
Amazon.co.jp: 銭の戦争 第八巻 欧州の金鉱 (ハルキ文庫 は 11-9): 波多野聖: 本
宰相のインテリジェンス
CIAを持ちながらも9.11を防げないアメリカ。ビンラディンを倒す為の決断、そのための情報戦、大震災時の判断ミス、国のトップに必要な”インテリジェンス”を分析。
Amazon.co.jp: 宰相のインテリジェンス: 9・11から3・11へ (新潮文庫): 手嶋 龍一: 本
月下上海
上海占領時の日本から絵画家として渡った美女がスパイとしての活動を強要される。過去のスキャンダルを理由にやむなく応じるがその先には更に辛い運命に翻弄され。。。
Amazon.co.jp: 月下上海 (文春文庫) eBook: 山口恵以子: Kindleストア
ヒトイチ
警察庁人事一課ヒトイチ。警察官の不正を暴くための情報戦。思わぬ癒着や警察の暗闇に繋がる事件。
Amazon.co.jp: ヒトイチ 警視庁人事一課監察係 (講談社文庫): 濱 嘉之: 本
「宰相の〜」以外は、フィクションですが、いずれも史実をからめての話なので、現実との境目が判らなくなってきます。それがまた、世の中に新しい認識や思い込みを産んでしまうのかもしれません。
”小説”という形式を持っているので、私たちの中の歯止めも利きますが、これが”新聞”というメディアになってくると、どんなに偏った内容でも、たとえば事実でないことでも、信じてしまう作用が働く事は否めません。
歌は世につれ〜るのはいいでしょうが、世は歌に流されるのは、我々が意識していないと、最後は自分の首を絞めることになります。