【ODRピックアップ】20151225 クラウドは空でなく
中国では、噂通り、Googleやfacebook、Twitterにはアクセスできませんでした。これを称して、「クラウドが使えない」と言います。
旅客機には、Wifi使用可のマークが表示されている場合が多くなりました。「飛行機に乗っていたので返事が遅くなりました」という言い訳が使えない日は確実に近づいています。「クラウド」に近いから使えるのが当たり前だと思う人々が増えてくるのでしょうか。
スマホで撮影した写真は、世界のどこにいようとも、1分も経たないうちに、Dropboxに同期され私の所有する複数台のPCから参照できるようになります。いかにも、「クラウド」は、私の情報を空の雲のように、どこからでも見ることができるようになったようです。
ところで、前述の「世界のどこにいようとも、1分も経たないうちに、Dropboxに同期され私の所有する複数台のPCから参照できるようになります。」この部分。フィリピンやタイ、中国にいた時に撮影した写真が、Dropboxにアップロードされたのは、どういう物理的なルートを通ったのでしょう。
スマホから電波を経由して、インターネットに入り、dropboxのサーバーに転送される。。。
フィリピンにいたときは、スマホから(フォリピンの)電波を経由して、(フィリピンの)インターネットに入り、(米国の)dropboxのサーバーに転送されたわけですが、フィリピンのインターネットから米国のサーバーに転送されたルートは、空路でしょうか?フィリピンから発せられた電波が電波網にのって米国にとどいたのか?
でも、実はそうでないことはわかっています。インターネットの大陸間の伝送のキモは、海底ケーブルです。
Not many people realize that undersea cables transport nearly 100% of transoceanic data traffic. These lines are laid on the very bottom of the ocean floor. They’re about as thick as a garden hose and carry the world’s internet, phone calls and even TV transmissions between continents at the speed of light. A single cable can carry tens of terabits of information per second.
記事では、「海底の庭のホースくらいの太さのケーブルが数十テラビット/毎秒でインターネット、電話、TVの放送の殆ど100%を大陸間を高速で通信していることを理解している人は多くない。」と分析しています。
これらの防護に携わっているのは、米国のSubComとフランスのAlcatel-Lucent社くらいで、実は海洋の広さと深さ故に自然の力で守られている、いや結果として攻撃されないでいるに過ぎないといいます。
寧ろ危険なのは、海底ケーブルはどこかの海岸から地中を通って引き上げられ、陸地のネットワークになるので、そこを掘り起こされる場合や、謝って錨を降ろして引っ掛けてしまう場合です。過去の事故もそのケースだそうで、International Cable Protection Committee ( ICPC )はそうした事故が起きないように監視管理をしているのです。
テロリストに狙われる危険はつきまといますが、海底という環境がそれを難しくしていることも事実で、寧ろ狙われやすいのは陸揚げのポイント。そこは厳重な監視やケーブルへの防護が施されています。
実際、これらがやられてしまったら、エジプトで2008年に起こったように、70%の通信が途絶えてしまうので、対策は常に必要でしょう。
効果的なのは、原始的ならが冗長化。海底ケーブルはその海洋の大きさに比べたら、比較出来ない程細いので、それに出くわすのも大変なのですから。