【ODRピックアップ】20160301 歩行者保護
片道3車線の広い道路への交差点、信号が変ったので左折しようと車を進めると、向こうから横断歩道を渡ってくる子供つれのママさん。ゆっくりなので、申し訳なさそうに子供をせかしています。実感として、「あれだけ歩くのが遅いし、距離もある。待っていなくてもいいかな」と思いますが。。。
道路交通法では、歩行者を保護する義務を規定しています。
第六節の二 横断歩行者等の保護のための通行方法(第三十八条・第三十八条の二)
歩行者保護義務違反 - Yahoo!知恵袋
「横断を妨げてはならない」とあるので、広い交差点で距離があればいいのではないか?とも思いますが、法規上は歩行者が渡り終わるのを待たなければなりません。
「歩行者は歩いていても、信号が点滅しだせば走り出しますから、横断歩道上にいる場合は、車は停止しているのが基本」
という考え方のようです。
ところで、台湾では、こうした歩行者保護の考えはないようですね。
信号が青になって渡り始めると、寧ろ自動車優先?と思えるくらいに、ごりごりと前や後ろを通過していきます。タクシーでも、公共バスでも。。これは、どうやら私だけの感覚ではないようです。
台湾の交流協会でも、在留邦人に対して、注意を促しています。
一本、この方のブログ(http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/3298/traficmanner.htm)では、ある意味で、「融通がきく、人間らしさ」と表現しています。
米国でも、歩行者保護が優先しています。
特にマサチューセッツ州などは、「例えば赤信号で横断していた歩行者をはねてしまった場合でも車が悪くなる」州法があり、「 歩行者が信号無視をする傾向」があるので、日本以上に注意が必要となるでしょう。
ところで、車の設計にも歩行者保護に関する規制があるのをご存知でしょうか?
http://www.jsae.or.jp/~dat1/mr/motor20/mr20042006.pdf
日本では、様々な試験により、万が一歩行者と接触した際にも、衝撃を和らげるように、そうした可能性の高い個所(ボンネット,フロントグリル,バンパー等)の材質やデザイン形状への規制があります。さらに欧州では、「日本の規制には無い下脚部・大腿部の衝撃試験」もあり、歩行者保護への対策は、交通ルールだけではないのです。
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横断歩道の手前で待っているこんな私の心を見透かすかのように、スマホを見ながら、悠然とゆっくりと歩く人、小さい子供が走り出すのを止めもしないママさん、わざと車の方を見ないで余所見をしながら渡る人。
台湾だと多分、命ないです。