【ODRピックアップ】20160308 TPPと電子商取引
2010年に、ニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイ(P4協定加盟4カ国)、 米、豪、ペルー、ベトナムの8か国で交渉開始されたTPPは、2013年から日本も交渉に参画し、つい先日妥結にこぎ着けたのは記憶に新しいところです。
資料)
2)TPPについて
このTPPは、国際貿易での関税や投資、知財などに関する規律を取り決め、締約国間の貿易を活発にし、経済活性化をすすめ、消費者の利益を高めて行こうというもので、同様の試みとしては、古くは162カ国が参加するWTOによる関税、知財、紛争解決に関するルールから始まり、各国間のFTA/EPAでよりすすんだ貿易条件を取り決めてきましたが、TPPでは、さらに参加複数国間の関税を撤廃し、投資自由化、知財、電子商取引、環境などの幅広いルールについて合意したものです。
図であらわすとこんな感じ(ある方の資料からパクリメモです。すみません。)
特に、弊社の興味の対象である「電子商取引」に関しては、WTOでは、関税不賦課モラトリアムと呼ばれる「インターネットを中心とした電子商取引によるソフトウェア、音声、映像などのデジタルコンテンツの国際間売買に対して関税をかけないという、現在行なわれている慣行を、当面('99年まで)は継続する」ことが含まれていますが、WTO以降の各国EPAでは電子商取引に関する規定を設けていたのは日豪EPAだけでした。つまりは、TPP加盟国中、WTO加盟国(米国、カナダ、ニュージーランド))とは”モラトリアム”がありましたが、豪州以外のEPA(ブルネイ、チリ、マレーシア、メキシコ、ペルー、シンガポール、ベトナム)とは、特に取り決めがなかったのです。
TPPでは、第14章に電子商取引の条項が設けられたので、いろいろ新しいことが起きてくることが期待されます。
TPP条項暫定仮約
私として、特に期待したいのは、第15条です。
第十五条 協力
− 電子商取引の発展を促進するため地域的な及び多数国間の場に積極的に参加すること。
− 民間部門が電子商取引を促進する自主的な規制の手法(行動規範、モデル契約、指針及び実施確保の 仕組みを含む。)を開発することを奨励すること。
これら2点は、TradeSafe社をお手伝いしている電子商取引のトラストマークの国際連携(WTA)が該当しますので、事業にドライブがかからないかと思っています。
さっそく、いくつか予定されているカンファレンスへの出席や支援でも打診してみるかな。。。
3月8日、TPP承認案と関連法案を閣議決定し、4月衆院審議に入ると報道されています。