【ODRピックアップ】20160419 民泊を本気で進めるのなら
海外からの友人に宿泊先を尋ねると、ホテルや旅館でない場合がありまして、よくよく聞いてみると、普及が広がるAirbnb経由での宿泊ということが増えてきました。
(きっとたぶん)日本観光が活性化してくると、少人数の「先発隊」が
「ニホン ハ イイヨ! スゴイヨ! イコウヨ!!」
と家族や親族、友人と連れ立ってくるようにもなり、そうなると、”高いホテルで長期滞在”は、費用的に大変になります。そこで、検索してみると見つかるのが、Airbnbに登録された民泊施設。
「民泊」は、個人の所有する空き部屋などを、安く貸し出すサービスとして、広がっています。米国のAirbnbなど手軽さの人気により、普及しはじめ、日本への旅行者にもその利用が広がっているようです。
一昨年、スタンフォード大学でODR FORUMが開催されたときにも、費用節約でモーテルに泊まった私より、Airbnbを利用したアルゼンチンからの参加者(女性)は、大学の近くの1戸建で、約3分の1の値段。知っていれば(あるいは勇気があれば)そちらを選んだのに!!
ただし、日本では、”有償”の”宿泊サービス”の”営業”には、旅館業法の許可が必要です。
旅館業には、ホテル営業、旅館営業、簡易宿泊営業、下宿営業があり、民泊はグレーゾーンにありますが、あえてあてはめるなら、簡易宿泊営業になり、この場合も一定の広さが必要だったり、受付的な設備が必要だったり、個人宅だと許可がとれない可能性がでてきます。
すると、現在、海外の民泊サイトに継続的に登録され、有償で施設を提供している場合には、旅館業法違反となってしまう可能性があります。
関連官庁は、旅館業法の許可のない施設登録を扱わないように、急成長の民泊紹介サイトに要請文を出す予定と報道されています。
また、旅館業法適用除外の戦略特区で不動産空き室物件に泊まる新サービス「とまれる」が開始されました。
国家戦略特別区域法 第13条(旅館業法の特例)
特区では、旅館業法の設備上の条件は問われませんが、都道府県知事への申請と認可が必要となります。民泊は、グレーゾーンでしたが、特区を利用して法的課題はクリアして正面突破。「新しい民泊というビジネス自体がダメだという流れはつくりたくない」(同社代表)という正攻法。
この「旅館業法」緩和に沿って申請された件数は非常に少ない理由は、
実際に民泊を行う為には、それ以外にも、「建築基準法や消防法、都市計画法等の基準も満たす必要」があり、これらについては緩和されていません。申請するとこれらの指摘を受けて、施設改造などでコストがかかってしまいます。
仮にお金をかけて、実際にあまり利用されなければ、「ちょっと部屋があいているのでお小遣い稼ぎ」的に行う人にとっては、かけた費用が回収できないことになり、それはちょっと躊躇してしまいます。このあたり、民泊提供者と官庁(法制度)の足並みが揃っていないので、早めの改正がされることが必要です。
仮にもろもろグレーゾーンのまま実施できたとしても、宿泊料収入により、きちんと課税されるので、個人事業主として確定申告して納税する必要がでてきますので、ご注意を。