【ODRピックアップ】20160602 置き去り日本
ODR(Online Dispute Resolurtion)に関してのお話です。
2008年のODR Room Networkを創業以来、その年からODRの関係者との交流を通じて、日本でのODRといえば当社というプレゼンスは獲得できたと思います。実際に、最初にプレゼンテーションを機会を得たのが2009年のイスラエルでのフォーラム。以降、2010年の関係イベント(カナダ)を含めて、2010年(アルゼンチン)2011年(インド)はスケジュールがあわず、2012年(プラハ:病気のため不参加)以外は、2013年(カナダ)、2014年(パロアルト)、2015年(ニューヨーク)と参加を続け、2015年には主催するセッションを持つこともできました。2016年もワーキンググループを受け持ち、10年で7回。まあ、頑張った”つもり”です。
オランダのハーグにある国際司法裁判所で行われた第15回目のODR FORUMは、ついに「裁判所とODR」の関係について触れました。
これまで、ODRの定義や裁判で扱えない小規模の電子商取引の紛争などに特化して触れてきたのですが、ついに触れた。。。そういう意味で意義深いセッションだったと思います。
アンケートが行われました。
ODRは裁判所にとって、(1)統合する技術なのか、それとも、(2)事前の選択肢となるのか、(3)競合になるのか。
一番多かったのは、(1)統合するべき技術。
私は、(2)の事前の選択肢に投票しました。いずれは(1)なのかもしれませんが、時間がかかりそうだと思うからです。
クロージングパーティーでまた聞かれました。
「日本では(ODR FORUMを)いつやるの?」
そうなんです。
昨年私が参加を進めた中国が、この秋に開催をアナウンスしました。2017年はパリでの開催が決定。日本からは、2004年のメルボルンにECOMが出席して以来、2008年以降で、昨年ニューヨークに消費者庁が出席し、法律家の方はUNCITRALのWG3のメンバーである教授が2012年、2015年に参加してくれましたが。。。未だ、それ以外の法曹関係者がゼロ。日本にとって、ODRは所詮バズワードに過ぎないのでしょうか。。。。
今回も出席者は、欧州、北米、南米、アフリカ、インド、中国。。日本。不参加は、東南アジア、とオセアニアのみ。置き去りになった感があります。
日本だって、籬島の裁判にTV会議が使えるという提案がなされたこともありました。今回行われている議論にだって、決して遅れているわけではありませんが、でも、存在感がない日本。
国際司法裁判所が遠くに見える。
私のアプローチが悪いのか。
心が折れそうです。
誰のせいでもない。単に「力及ばず」ですが。。。