半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

【ODRピックアップ】20160620 職業は?会社員!という時代ではなくなった

【ODRピックアップ】20160620 職業は?会社員!という時代ではなくなった

 

それは、随分前から徐々にやってきていたのだと思えます。最初の兆しの大事件は、1997年、日本最大手証券会社である山一証券の経営破綻からの廃業でした。それに続く1998年、日本長期信用銀行の破綻申請が受理され、大企業がつぶれることが認識された時代となったのは、遥か昔のようですが、実際にはまだ20年経っていないのです。

職業は会社員。私はどんな仕事でもこなします!

いい大学を出て、いい会社に入れば安泰!だと思っていたのに、そうではなくなった。多くの知り合いや友人が途方に暮れ、その後の再就職に奔走していたのを覚えています。それでも、まだ再就職を目指していた人が多かったように記憶しています。

 

少し経って、街中のコーヒーショップで、同年代と思われるスーツ姿の人が、30代に見える人と話しているのが聞こえてきました。

 

A「・・・という会社で、部長職でした。」

「そうですか。スキルはどのようなものをお持ちですか?どんな業務が得意というか。。」

A「なんでも大丈夫です。いろいろな事をやってきて様々な大きなプロジェクトに関わりました。」

「そうですか。その中でもどのような。。。」

A「具体的に挙げるのは沢山あって難しいのですが、どんな業務にも適応できます」

「。。。」

A「。。。。」

「Aさん、申し訳ありませんが、当社はまだまだ小さなベンチャーです。Aさんの部長さんとしてのキャリアを受け入れるにはまだ未熟です。少し具体的なスキルをご提示いただけますか」

「。。。」

 

このすれ違いは、組織の中で与えられる仕事を、確実にこなしてきたある意味でのプロのAさんは、スキルがあってそれに基づいて仕事を得たのではなく、仕事が与えられ、抜擢され、その仕事に必要なスキルを必死で身につけて、仕事をこなす。。そういう仕事人生をおくってきた人と、ベンチャーで目的が明確になっていて、必要な仕事があって、その仕事にスキルある人を採用しようとしているベンチャー社長の違い。言い換えると、スピードの違い。

 

フリーターなんだって?

4月。新卒が配属され2ヶ月経っていますが、4月のうちから、ネット上や既存メディアのニュースでも、「新入社員がもう辞めた!」という記事がちらほらと見受けられました。実際、私の知り合いの範囲でも、1週間で辞めた、転職した、という話がよく耳に入って来ます。

退職後どうしているのかと聞くと、「いくつかのアルバイトをしているらしい」。

フリーターですよと自嘲的に言う人もいます。

学校に通っているという人もいます。

辞めた人の言い分として、

「これからずっとこの通勤ラッシュで”会社”に通うことに恐怖と絶望を感じた」

そんなの甘い!一つのところに務められなくてどうするんだ!

という声が聞こえてくるでしょう。私もまだココロの底ではそう感じていないとは言いきれません。

でもそれは、「職業は会社員」の時代の常識なのかもしれません。

よく話を聞いてみると、具体的な職種のイメージはあり、それに至る道筋は見えないものの、職種のイメージはしっかりもっているのです。

 

事務員。技術なし。

城山三郎氏の1979年の作品、「真昼のワンマンオフィス」は、日本が成長期にアメリカの出先として孤軍奮闘する日本人ビジネスマンの話ですが、この中に登場するアメリカ人のセールスマンとの会話で、「何をしているんだい?」との日本人の質問。

日本人のビジネスマンの質問の意図は、「なんていう会社で役職は?」という意図で聞いたのですが、

「Clark. No Skill」(事務員。取り立てて技術はない)と

答える彼。

日本人ビジネスマンもこれを聞いて、ザラっとした違和感を抱いて 少し我に帰るものの、何か動きがあるわけではありません。

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シャープは、台湾の企業の傘下に入りました。日産は、フランスの企業傘下になっています。職業は会社員の時代はきっと変って行くでしょう。その意味で、職業意識を持つフリーターは、「スキルを身に付けて、変って行く先駆者」では”ない”とは言いきれないのです。