【ODRピックアップ】20160705 クラウド個人ワーカーへの道のりは近いのだろうか
自分を信じて独立していった嘗ての同僚達は、営業に苦労していると聞きます。
さもありなん。
発注する側からすれば、例え会社組織を名乗っていても、御身一つ(に近い状態で)でやっている小資本で小規模な相手を、新規の取引先として選択するのは、自身が大手であればあるほど、リスクが目についてしまい、難しいことになってしまうでしょう。
それでも労働市場にも環境変化が起こりつつあります。
UberやAirBnBのようなシェアリングエコノミーの流れ、日本だとココナラのような「あなたの得意が売れる」型のプラットホームが現れ、個人事業でも新規の取引先と巡り会う機会がクラウド上で形を成してきているからです。
- 企業からみれば、必要な時に必要な規模の人材やサービスを入手できる
- 個人事業からみれば、自分の腕一本で、自由な環境で、力を発揮して稼げる
以前にも紹介したココナラ(ワンコインマーケット あなたの得意がハッピーに繋がる)
などもますます拡大し、TVなどでも取り上げられ、実際私が出品しているサービスへのアクセスや依頼も増加しています。
・台湾での現地調査を承ります 【次回の訪問予定】 XXXX年XX月
http://coconala.com/services/6025
・ビジネス訴訟の経験者が、裁判や仲裁、調停の当事者、証人になりそうな方へのアドバイスをします
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しかしですよ。
まだ私は懐疑的。
上述のココナラの経験と実感から言うと、事業者側は、
- (人気が出れば出る程)クラウドの中に埋もれる可能性が高い
- 余程のオンリーワンスキルでないと価格競争必至
- 継続受注のために事業者のスケジュール自由度制限
発注側からすれば、
- 依頼先の品質見極めが重要。砂漠の砂粒からダイヤを拾えるか
- 成果物の品質維持管理がこれまでより自分の負担となる
- 阿吽の呼吸の関係でなくなる(その関係に甘えられなくなる)
期待できる面もあります。
- 丸投げできなくなり業務管理をキッチリするようになる
- 事業者を見る目が養われる。オーディションなどが常態化。
- 個人事業側のスキルアップと品質向上
乗り越えなければいけない壁(弊害)ではありますが、現実にはなかなかおいそれとはいかない面が多いでしょう。ここを乗り越えていくには、
- 差別化できるオンリーワンスキルや製品で勝負する(結果、クラウドに埋もれない、継続受注のためにスケジュールをずっと開けて待っておくことも回避できる)
- 甘えのある継続的な関係に頼らず自分でキッチリと理解、管理する(丸投げでなく、目も養われ、双方のスキルがアップしていく)
これをやらないといけません。これまで、こうしたずぶずぶの関係をいい作用がでるように使ってきたのではないかと思います。しかし、今後は、ここから脱却しないと、理想的な仕事環境だけでなく、グローバル化する経済の中で、取り残されていくように感じています。