【つれづれ】20161228 ヒーローたちの幕引き
時代のヒーローやアイドルは、引退や解散などの去り際に、なんらかの儀式とともに、言葉を残しています。
30数年前、野球のヒーロー、国民的スーパースターの長島茂雄は、後楽園球場で引退式を行い、
「私は引退いたしますが、我が巨人軍は永久に不滅です」
と引退し、
当時の国民的アイドルグループ、キャンディーズは、解散コンサートで
「私たちは普通の女の子に戻りたくなったんです」
と言葉を残し、それぞれの業界を去りました。
横綱 千代の富士関は、
「体力の限界」
と言葉を詰まらせました。
あ!山口百恵は、確か言葉はなかったな。ラスト出演の番組で、最後の曲を歌ったあと、マイクを置いて、スタジオの奥にフェードアウトしていきました。
でも、曲は「さよならの向う側」。
曲そのものが”言葉”でした。
2016年の暮れ。
現代の国民的アイドルSMAPは、様々な憶測を残して、解散コンサートでもなく、引退式でもなく、20年間続いた冠番組で、全員揃っての、但しライブではなく録画で、最後のパフォーマンスを最後に、言葉もなく、解散を迎えました。後ろを向いたままの中居くんの姿だけが、ちょっと違う感覚、なにものか、もしかすると芸能界の闇かもしれない、を抱かせます。何も言葉を発しないで終わることの異常さは、視聴率27%を記録してみんなが感じたことです。
番組を娘たちと一緒に見ていましたが、特に大ファンというわけでもないのに、感慨深いものがあります。アイドルなのに、ドタバタコントをやり、体を張ったアクションやスポーツチャレンジをやり、それなのに、いい歌でヒットを飛ばし、みんなの心に残った等身大の青年たち。最初の頃のメンバーの顔は完全に子供です。少年です。それらが、別れや、事件や、騒動を経て、大人の顔になっているのは、近所の悪ガキやいい子たちが大人になるのを見守った町内のおじさんのような気にさせていたのかもしれません。卓球の愛ちゃんが、小さい頃から練習で泣いているのをTVで観てきて、オリンピックでついに銅メダルを獲得したときの、嬉しさではなく悲しさがこの解散には感じられます。
今年は私世代に馴染みのある音楽のヒーローが多く逝去しました。その中でも、
レオンラッセルは、自宅で息を引き取りました。奥さん曰く、昨夜寝て、朝起きなかったというある意味安らかですが、もしかすると悔いが残る死に方かもしれません。でもクスリがらみではなかったようです。
年末クリスマスの夜、ワム!のジョージマイケルも、「ベッドで穏やかに寝ている(ように亡くなっている)」ところを発見されたと報道されています。
明日朝には死んでいると思って寝たとは思えません。”明日起きるつもりだった”のに、そのまま亡くなってしまうのは、本人には悔いが残るのではないかなと想像。
死ぬときは死ぬことを意識したいなと思います。苦しいのはイヤだけど。。。