【半蔵門ビジネストーク】20170607 キャッシュレスの歯止めはないものか
半月程前に話題となったオークション現金出品とその素早い禁止削除対応、そして、其の後のチャージ済みスイカの出品は、記憶に新しいところですが、こうしたクレジットカードを利用(悪用)した換金は、この事件より以前から問題になっていました。即ち換金性の高い電子機器(ノートPCや人気機種のスマホ、ゲーム器など)をクレジットカードで購入させ、買い取りショップで換金させ、返済などに充てさせる手口です。
今回の件でもわかるように、該当する物品について禁止したり取り締まっても、ほかにも換金できるものはありますのでイタチごっこになってしまい、結果的には、そういうことをしなければならない状態になった人を困らせても救うことはありません。
問題は、"そう"せざる(キャッシュあるいは換金できるものをクレジットで購入してでも現金を得なければならない)を得なくなってしまった人を"そう"させた背景、システムあるいは仕組みにあります。
貨幣システムは画期的なものです。これがなければ、全ての取引は物々交換になってしまいます。ただいいたいことはキャッシュレス/クレジット否定主義ということでもない。キャッシュレスで購買できることは、簡単で便利で消費を廻し易くなりました。金は天下の回りもの。仮に貴方の周囲に、電気店と食料品店と雑貨屋しかない社会になったら?お互いに買わなければどの店も立ち行かなくなります。だからその間の相互の消費を簡単に便利にすることは経済を回していきます。問題は、稼げる=支払える以上に歯止めなく使えてしまうこと。止める仕組みが重要です。
現金はこの点、物理的に現金がなくなれば買えなくなる歯止めの仕組みです。キャッシュレス社会でこれをどのように歯止めをかけて行くか。現在はクレジット会社間の連携、各自の自制が頼りですが、クレジット会社のビジネスが信用を貸して購入を可能にすることである以上、限度額いっぱいまでいくことは内在するので、残るは自制のみ。
誰かに自分の限界を委ねてしまうことがそもそもの問題です。
でも、物欲って思った以上に手強い。。。