【半蔵門ビジネストーク】20170719 ナイーブは罪だと思う
ナイーブ;日本的には、天真爛漫な、うぶな、などの純粋さを表すいい意味で使われますが、語源の英語では、”考えが甘い人”というどちらかといえば、悪いニュアンス。
naiveの意味・用例|英辞郎 on the WEB:アルク
7月の初旬に、facebook上であるメールが飛び交いました。私の何人かの友人たちからも直接メッセージや書き込みに現れ、その後処理にも少しの時間を要しました。メッセージは以下の本文。
[注意]あなたのメッセンジャーリストにあるすべての連絡先に、Jayden K. Smithの友情要求を受け入れないように教えてください。彼はハッカーであり、あなたのFacebookアカウントにシステムを接続しています。あなたの連絡先の1人がそれを受け入れると、あなたもハッキングされるので、すべての友達にそれを知らせてください。受け取ったとおりに転送されます。 メッセージを指で押さえてください。真ん中の一番下に転送ボタンがあります。それをタッチし、あなたのリストにある人の名前をクリックすると、それがそれらに送信されます
そもそも日本語がおかしいので意味がわかりにくいのですが、要するに、
- Jayden某からのリクエストを受け付けないように、
- 友人全部に知らせろ
- その知らせ方は、メッセージ全部をコピーして全員に転送せよ
ということです。
早い話が一種のチェーンメール。
昔でいうなら不幸のハガキ。
ハッカーから乗っ取られるという恐怖心とそれを回避するために友達全員に送らなければいけないという使命感?を煽り、メッセージを送らせるということなのですが。。。もう善意のネット利用者でいることは、言葉はきついですが罪かもしれません。
でも、よく考えれば、このメッセージはなんだかおかしいということがわかります。
仮に某がハッカーだとして、それを知らせるメッセージが書かれているような手法で行き渡るとしたら、あなたが知らせた友人がまた全員に送り始めることになる。。するおと、どうなるか?あなたの友人であなたの共通の友人もいるでしょうから、そこからまたあなた宛にメッセージが転送されてくるでしょう。それがネットのコミュニティ上で繰り返されるとしたら、膨大なメッセージ量です。普段からエネルギーを大切に唱えている人ならば、この方式で知らせ合うこと自体がネット資源としては壮大な無駄の片棒を担ぐことになる。
本文をよく読むと
このメッセージをそのまま送るように指示がありますが、本文をよく読むとおかしなところ、わからないところがあります。
- 友情要求
=たぶん友達リクエスト
- あなたのFacebookアカウントにシステムを接続
=>ハッカーの手元にはなにかシステムが存在し、あなたのfacebookアカウントが取り込まれる?facebookのセキュリティはそんなチャチいの?
- あなたの連絡先の1人がそれを受け入れると、あなたもハッキングされる(ので)すべての友達にそれを知らせてください。
=>受け取ると〜ハッキングされる?ということは、メッセージで知らせても無駄では?未読にしておけばいいのかな?
- 受け取ったとおりに転送されます。
=>受け取った通りに転送してくださいのいうことか?日本語おかしい。
- メッセージを指で押さえてください。真ん中の一番下に転送ボタンがあります。それをタッチし、あなたのリストにある人の名前をクリックすると、それがそれらに送信されます
=>転送方法を知らない人に向けているのか?しかも全ての機種共有ではない操作。”それ”が”それら”にというおかしな代名詞の連続
もうナイーブは罪だと思う
冒頭に示したように、ナイーブというのは純粋などのいい意味に使われていますが、英語ではむしろ世間知らずというような意味あいです。もはや知らないことは、美しいことではなく、場合によっては周囲に被害を及ぼすことになることを理解する方向になってもいい時期だと思います。
誰かにいわれたから、誰それを信じたから。。。悪いのは自分ではない。。。でも、それを見抜けなかった、調べなかった、自分にも落ち度があると考えないと、被害を被る場合によっては被害を拡大してしまうことがあります。
ジャニーズの歌う「宙船」の歌詞。
”自分のオールを誰かに任せるな”という主旨のメッセージは、ネット時代にこそ重要になりました。