【半蔵門ビジネス雑談】20180122 自動通訳監視業
先日、一橋大学で行われたDSD(Dispute System Design)、ODR(Online Dispute Resolution)研究会に出席して、発表をする機会があった。メインゲストがスタンフォード大学の先生だったので、同時通訳が入っていた。私の発表も日本語で行い、同時通訳が翻訳する言葉がレシーバーを通じて、ゲストの先生の耳にも入っていた。
前提は、私の話す内容=日本語が通訳者に理解されること、通訳者が正確に英語に翻訳していること、なのだが、どういう英語になっているのかを聴いていないので、翻訳が正しいのか疑問になることがある。意図した質問と外れた答えが返ってくることがあったからだ。
それは先生が本当に答えをもっていなかったからかもしれないが、なんとなくこちらの意図が通訳者に伝わらなかったかように感じたのだ。
AIで自動翻訳が使われるようになったときに、この問題がつきまとうのではないだろうか。
記事では、AIによるディープラーニングで自動翻訳が高度化していくことを予測している。またそれによる問題点も指摘している。例えば、クラウドにより情報が流出していく可能性や、言語の蓄積データ量に依存する翻訳システムの格差、文法の類似による翻訳精度差、それにより日英が難しく、一方で英中が文法も似ているので精度が高くなることなど。
もちろん、それらに加えて、日本は独自で翻訳データを蓄積していかないと、Googleに頼っていたのでは、「翻訳が正しく伝わったのかどうか」「翻訳が正しいのかどうか」を見極めることなく、自動翻訳のパラダイムに組み込まれてしまうのが最も恐ることだ。
通訳への疑問は以前にもブログに書いた。
通訳があっているのかどうか、自動翻訳があっているのかどうかを監視するための翻訳監視のような職業が出てくるかもしれない。
(はてな1037記事)