【読書/映画感想】20180209 訴訟合戦
会計天国、戦略課長などのシリーズの竹内謙礼氏の最新刊。
これまで、会計、戦略、営業、貯金、給料、マーケティング、検索などのテーマできたが、法務も登場。
あらすじ
仕事に熱意が感じられないのに、権利ばかり主張しているゆとり世代の社員とうまが合わないバブル後世代の先輩社員。先輩社員は、これまで勢いで、なあなあでやってきた古き良き時代を引きずった会社人生だったが、若い世代の法律的に理論武装された反撃で頭があがらなくなってしまう。実は、若い社員もこれではいけないとわかってはいるが、なかなかそりがあわず、やがて先輩社員も法的な反撃を試みる。そして社員同士で訴訟?
という不穏な気配の中、会社が買収の危機に!力を合わせて買収を阻止して乗り越えようとするが、株式は買収側の手に渡ってしまう。結果はどうなるのか?
法律をかじると
法律をかじり始めると、こういう攻め方をしたくなってくる。権利が、義務が、プライバシーが、と、ギスギスしてくるが、正論でもあり、攻められると守りが難しい。
大切なのは実際はどうだったのか?
しかし、実際の訴訟になると、法律論に加えて、ほんとうにどういう心で行動していたのかが重要になってくる。法的に正しいといえても、心はどうだったのか?例えば、隙なく発言し、行動していたとしても、本当は出し抜こうとしていたのではないのか?と訴訟の場で問いただされると、あれ?と考え始めてしまうのが人間だ。心から、そう思っていたのか?どこかで、そんな風に思っていたのではないか?実際には、少しだけ、相手を出し抜こうと思っていたりもするものだ。そこを指摘されると意外にも心がフラフラしだす。
例えば、
- 仕事時間中のメールには、本当に仕事のことしか書いていないか?
- 冒頭に和ませようと、昨日の飲み会や次回のゴルフのことなどを書いていることもある。
これらは訴訟になったとき、
- 仕事の最中に遊びのことを書いていたではないか?
と指摘されることもある。
日本人は訴訟は好きではないだろう。
「裁判沙汰」ということばは、たとえ正義があっても、「あいつは裁判をおこされた」「裁判をおこした」と、”面倒なやつ”だとおもわれがちだ。
国際社会、国際化してきて、裁判が普通のことである海外からのビジネスマンたちと戦うと弱いかもしれない。裁判は白黒をつけて、相手を叩きのめすまでやらなければならない。「話し合い」で解決して、次に関係を続けていくことも大切なことなのではないだろうか。
長屋の熊さんと八つぁんのいざこざをご隠居がうまくまとめたような日本の闘いを願う。