【半蔵門ビジネス雑談】20180322 メールのアーカイブ問題
メールは22年以上
「その話はメールでしてくれ」というタイトルの本は1995年に出版されているが、当時、メールが導入され、社長に話をしようとしたら、「その話はメールでしてくれ」と言われて衝撃を受けつつも、便利なツールとして仕事を変えていく様が描かれている佳作である。
メールが最初にビジネスなどで使われ始めたのはLANが普及しはじめたころだったろう。そこからすでに22年。
メール蓄積容量の膨大化
日常のコミュニケーションツールは、もしかするともうメッセーンジャー系の既読がわかるLINEやWhatApp、WeChatやメッセンジャーに移行しつつあるのかもしれないが、ビジネスでの主流はまだまだメールが一般的だと思われる。
無料のものも含めて大抵のメールソフトは、自動振り分けができて、検索ができて、カレンダーと連動している。メールは仕事のコミュニケーションツールとして便利であるだけでなく、記録であり、備忘録であり、証拠でもある。毎日使い続けてきて、メールが仕事や行動のインデックスになっている。そして過去からの蓄積で容量が膨大になってきている。
そろそろ各所でやばくなってきているのではないかと感じる。
サポートが終了するメールソフト
有料のメールソフトも数多くあるが、メールソフトの多くは無料でOSベンダーなどから提供されており、それらが利用シェアを占めている。ビジネス的には厳しいと推測され、サポートを終了するものも少なくない。LiveMailもサポートを終了する。そうなると、別のメールソフトに移行する必要が出てくるが、ここで問題となるのが移行作業だ。
移行データが膨大に
私ですら毎年の有効なメールはバックアップを調べてみると5000〜7000件/年間あり、10年の会社運営では、10万件近いメールが蓄積されている。
これらはテキストメールだと100KB程度だろうが、添付ファイルがついているとあっという間に数メガ/件になり、これまでのケースだとメール全体で数十ギガもある場合がある。このサイズでは、移行のためにデータを移動する際に、単純には時間がかかり、それ用の容量が必要となり、場合によっては、メールソフトのツールのサポート範囲を超えているため、
- バックアップが取れない
- エクスポートできない
- インポートできない
などの問題が出てくる場合がある。
そして、この容量問題は、今のところしっかりとしたソリューションがないようだ。当社のエンジニアも試行錯誤を繰り返し、なんとかしのぐ方法を研究している。
実務的な工夫
根本的な解決方法が出てくるまでは、実務的な対応でしのぐしかないだろう。
自分では、以下のような方法をとっている。
直近2年以前のメールを、年別にメールボックスからローカルのメールホルダに移転
こうしておくことで、メールサーバーの容量を節約し、検索も可能であり、また、移行の際も、年別の移行とすることができる。
メールの次には
メールシステムをベースにしたソリューションとしては、メール専門のアーカイブシステムなどがある。メールを送受信した際に、メールを別エリアに保存しておき、アーカイブとして保存しておくのだ。検索も可能だし、万が一の法的対応にも耐えうる。しかし、使わないかもしれない過去のメールにそれなりの費用をかけることにもなるので、躊躇する場合も多いだろう。
そこで、メールから別の仕組みのアーカイブ的コミュニケーションツールへの転向も視野にいれていきたいと考える。
SNS、グループウェアへの移行
SNSでは、会議室のような形式で、個別のやりとりを行い、保管していくことができる。また、書き込み内容をメールで通知することもできるので、メール的な使い方をしながら、保管もできることになる。
この方式のいいところは、アーカイブだけでなく、仕事の経過を引き継ぐ際にも、その会議室への参加だけで、経過を共有することができるので、非常に有効な手段と考えている。