電話応対業務か顧客サービスか【半蔵門ビジネス雑談】20180529
マーケティングの勉強をするとよく出てくる事例として、今の事業の上位ドメインを意識した事業展開の話が出てくる。
引用すると、
大型書店とamazonの例
- Barnes&Nobleが自社の事業を「書籍の店頭販売」と定義
- amazonは「オンライン小売業」
- 書店の事業は書籍を販売することであり、書店もインターネットもその手段のひとつ
鉄道業か輸送業か、手段の変遷
- 馬6頭が引く馬車から鉄道へ
- 道路さえあればどこでも行ける自動車の方が利便性が高くなりバスやトラックに奪われ
- さらには飛行機の時代へ移る
- 鉄道会社の事業は「輸送業」だった。鉄道も自動車も飛行機も船もその手段にすぎない
資料はないが、家庭用浄水器メーカーが、家庭用機器か水事業かで、次に作る製品も変わってくる。水事業なら、それの業務用やレンタル水サーバーへいくだろうが、家庭用に囚われて、家庭用たこ焼き機を作って事業が失速してしまった事例もある。
で、電話対応。
先日、持病の薬が次の診察までに不足しそうになったので、病院に電話して、どうすればいいか聞いた。
- 予約なしで来院すること、
- 担当外の先生に診療してもらい処方箋を出してもらうこと、
- 土曜日は早く終わるので11時までにくること、
などを丁寧に教えてくれた。さっそくその週の土曜日に朝早く病院へ向かった。
到着すると外来は休診。救急センターへいけと書いてある。救急センターで受付すると、休日なので診察料が8600円かかると言われる。行った日はたまたま休診日だったのだ。電話の時に教えてくれればいいのに〜〜〜〜〜〜〜〜泣
電話の彼女は親切な応対だったのだが、顧客サービスの視点がなかったのだと思う。その言い方をすれば今週末に行く、今週末は休診だ、そこまで気持ちが回らなかったのだ。
彼女にとって、電話応対業務は、単なる電話応対業務に過ぎなかったのだ。一つ広い事業ドメイン=顧客サービス業務と捉えてくれれば、きっと、「土曜日は11時まで、 でも今週はお休みですよ」と言ってくれたのではないかと思うことにして、怒りは沈め、クレーマーにはならないで済んだのだった。
というわけで、このセコいクレームの話をするために、上位の事業ドメインの話を持ち出したのであった。ワハハ。