戦略参謀【読書/映画感想】20180621
あらすじ
朝礼で人事制度の問題を発表した若き社員は、制度の企画者である専務の静かな逆鱗に触れ新設部署に飛ばされる。そこで新しい外部からきた部長のもと、新業態の見直しや経費低減で成果をあげるが、それも専務にとっては面白くなかった。まだも異動の話が。やがて、専務は経営企画部長までも外しにかかるために探偵までやとって怪文書をでっちあげ。。。ついに無意識に原因を作った会長への直訴と経営見直しまで発展し。。。企業は立ち直れるのか。
マーケティングや経営企画
企業にマーケティングが必要なのは自明だが、マーケティング部をつくればいいというものではない。むしろ、マーケティングは全体に浸透しているべきである。経営企画も同じこと。組織を作っただけで本質を見誤ることの多いこと。
かつて私もマーケティング部に在籍し、企画部門にも在籍した。企画部門の上司は、企画書を作っている私に、「企業文化を作れ」と何度もいった。半分理解していたつもりだったが、企画マインドの風土を作れということだったのは、何年かたってからやっと気がつき理解した。
企業再生は人の再生
うまくいっていない企業は組織を守ることや、規定を守ること、自分の周りの業績を短期的にあげることなどに目的を履き違えてしまっている。成績で一部が評価されても、それに関わった間接的な人々が評価されなければ人は腐るし、去ってしまう。あるいは、足を引っ張る側にまわるかもしれない。人に焦点をあて、人がその気になるように、仕組みを制度を作っていくことこそ、人を再生し、企業を再生していく。
人、性善なれど、性怠惰なり
人は元々は基本的に性善で、誰かのために立ちたいと思い、褒められれば嬉しいし、与えられた役割に一生懸命務める。しかし、悪いリーダーシップや、誘惑にも簡単にリードされやすく、現状に甘んじ、自分の権益を侵す動きには保身に走る傾向があるものだ。それらは身をもって体験したこともある。
本書は、上場企業の創業者から二代目へ、新業態の開発、外部からの新しい血の迎え入れ、プロパー社員のもどかしさと、中途で雇われた企画系のプロの難しさなど、物語+方法論の解説の構成で書かれている。方法論のほうはパラパラと読んでしまったが、同じような環境の経験者としては、当時のもがきを思い出してしまい、懐かしさと悔しさと悔いが蘇ってきた。