ADRにオンライン技術を(デモ )【半蔵門ビジネス雑談】20180713
2018年7月13日、日本ADR協会(JADRA)は毎年恒例のシンポジウムを開催します。今回のテーマは、「ITはADRの利用拡大につながるか?」と題して、ADRに技術の側面から迫ります。
日本ADR協会
デモシナリオ
はじめに
ご覧いただくデモシステムは、現在当社で開発しているもので、今回のシンポジウムに際して、参考用にJADRAのHPと検索システムに連携させたものであり、JADRAがこのサービスを提供することを意味するものではありません。
これまで海外のODRやテクノロジー活用の事例を中心に調査研究し、一部の国内でもODR的なシステムを提供してきた経験から、
- 今後ADR利用者が、ADRをより利用しやすくなるには何が必要か、
- ADR機関が、より多くのADR利用者からの紛争解決要望を、効果的に、効率的にサポートしていくためには、どういう機能が望ましいか、
日本でのADRをテクノロジーの面からサポートしていくために議論していくきっかけとなればよいと考えてご紹介するものです。
状況設定
- 登場人物は、申し立て当事者、ADR機関、JADRA、(相手方)となっています。
- JADRAは、同協会のHPからADR機関検索システムを提供しています。
- 申し立て当事者は、検索システムから希望の機関を検索し、その機関にシステム経由で相談を送ります。
- ADR機関は、申し込みがあったら、オンライン相談申し込みシステムにアクセスし、自分の機関への相談を管理することができます。
- 今回デモするオンライン相談申し込みシステムは、検索結果の各機関のページからリンクされており、各機関ごとのデータベースを持っています。
- システムや画面の名称は全て仮称です。
以下のリンクのADR機関検索システムより入ります。(シンポジウム後は利用できません)
申し立て手順
申し立て当事者は、まずADR機関検索システムでADR機関を検索し、
選択した機関に、
オンラインで相談するため、フォームから相談する内容を登録します。
- 必要な情報をフォームに入力します。
- フォームでは、カテゴリーに応じてADR機関が設定した雛形が表示され、記入しやすくなっています。
- 登録すると、当該ADR機関にメールでも送信され、ADR機関は、データベースで内容を確認し、必要な確認事項などを申し立て者と確認し、相手方に連絡を試みます。
- 合意が得られたら、メールやシステムを通じて相手方にメールを送信し、オンラインでのADRが開始となります。
ADR機関では、途中の状況を登録し、関係者で状況を共有できます。
さらに多くの情報を登録する場合には、専用のSNSを使用して情報共有できます。
SNSでは、IDとパスワードでアクセスコントロールを行なっています。担当者が変わった時や、新たな担当者が入った場合でも、ログインアカウントを発行すれば、過去の内容を共有できます。
Skypeを利用して、オンラインでの期日が実施できます。
3者間での同時会話ももちろん可能です。またSkype以外のTV会議も利用可能です。また、このカメラはワイドレンズで、左右はPCのすぐ脇にいる人も映るようになっていますので、先ほどのお話にありましたような見えない支援者なども隠れにくくなっています。
その他
- フォームに入力された情報を元に、PDF書面が自動生成されます。
法的に書面の保存が必要な場合には印刷して保管可能となります。データとして保管すれば、検索機能も活用できます。
- ADR利用料の入金は、オンライン(クレジットカード、銀行振込)で行えます。
今回は実装されていませんが、こうした支払いをスムースに行う方法もIT化の効果です。
- システムへの登録内容に更新があった場合には、当事者を始め登録されている関係者にはメールでも通知されます。メールには内容の一部とシステムへのリンクが掲載されています。
- その他、蓄積されたデータによる統計なども集計できますので、傾向の分析や報告などにも活用できます。
システムは、技術的にはいかようにも作れます。それが、現行の法制度に許容されるかどうか。あるいは、制度を変えていく必要が出てくるのか。議論は継続されています。