せつない夏祭り【つれづれ】20180805
今日は、生まれ故郷の夏祭りの最終日だ。物心付いて以来、この日はいつでも楽しく切なかった。夜店で買い食いするものは、全て美味しくて、くじ引きにはワクワクし、型抜きゲームでは、完成させて景品や現金や水飴をもらうのがたまらない大人の香りだった。一種のギャンブルの始まりだ。
人混みを練り歩けば、浴衣姿のクラスのあの娘のグループに出くわし、つれない態度に寂しくなりつつ、こちらも憎まれ口を利いてみる、幼いツンデレ。
終わりの時間が近づくと夜店が撤収を始める。帰らせないように、焼きそばの屋台の列に並んでみる。
大人になって、自分の子供たちを連れていった想い出も遠くなりつつある。
夏祭りの翌朝は、綿あめの香りがせつなく悲しく悪臭に混じって鼻腔を刺激する。
生まれ故郷の夏祭りの最終日。この日はいつまでも楽しく切ない。
そして、年末には、小さかった長女が嫁ぐ。