衰退は「マインドの衰退」か【半蔵門ビジネス雑談】【北毛再起動】20180910
友人の紹介で参加したITビジネス研究会で、偶然に地方創生の話を伺った。
偶然という意味は、本来の講演内容は、ウェアラブル分野の新製品とIT事業だったのだが、講演者Mさんの生い立ちや地方の背景の話で、佐賀の牛が”佐賀牛”になるまでのお話が、まさに地方創生の話だったのだ。
細かい実務の話は、参考にはなれども各地で取り組む方法も条件も違うのでここでは述べずに、ヒントになったのは、地方の衰退は、マインドの衰退だという点である。
”佐賀牛”は、その昔は”佐賀牛”ではなかった。
美味しい高品質の”佐賀の牛肉”はあったのだが、それは、神戸牛やその他著名な牛のいわゆる「OEM牛」だったからだ。Mさんの今のビジネスはもとは細々とした家業だったそうだが、それも、高品質の製品をOEMでメーカーに販売し、安定経営だったものの、自社のブランドではなかったのだ。
サーカスの子象
その結果、ある時代のビジネスはうまくいっていたが、自分たちで開拓していくマインドが停滞してしまい、細い紐でくくりつけられたサーカスの子象のように、引きちぎれるロープも引きちぎろうとしなくなってしまっていたという。
家を継いだ際に、周囲の従業員や関係会社などは、揃って、もうだめだ、そんなことは無理だ、それはできるはずがない、どうせ俺たちには難しい。。。そうしたマインドの諦めが蔓延していたために、衰退し、衰退から抜け出られなくなってしまったのだという。
同じような話。どの衰退地方市町村にもないだろうか?
誇りと自負を取りもどし
自前のブランドの製品やサービスを市場に届けるには当然、試行錯誤や投資も必要で、しかし、そこを乗り越えないと、いつまでも特徴のない街からは脱却できず、ますますマインドが冷え込んでいく。
お金はもちろん必要だが、問題は衰退から抜け出すという誇りと、やろうとする気持ちだろう。自分が誰よりもこの街のことを考えているのだという自負をいかに多くの人々が心に持てるかということにつきる。