半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

国際機関の実務的悩み

国際機関の実務的悩み【半蔵門ビジネス雑談】20181019

 

WTA(World Trustmark Alliance)という国際機関に2008年から株式会社TradeSafeの海外担当者として関わっている。2018年は、香港が議長国で私も副議長を拝命した。

f:id:emandai34:20180513124216j:plain

議長国香港は非常にやる気を出していて、さっそくいくつかの提案を出している。その一つがWebサイトの移転だ。Webサイトは、台湾が議長国のときに現在のサイトの前身となるサイトを立ち上げた。しかしボランティア的で議長が変わるとあまり更新されなくなってしまった。その後、フィリピンが議長のときに、サイトのリニューアルが起案され、2015年中国が議長国の際に、これまたボランティア的に、リニューアルされた。ドメインは日本が取得し、サーバーも日本国内のデータセンターにおいている。

http://www.worldtrustmark.org

 

香港が提案するのは、サーバーの香港移転と秘書機能の固定化だ。サーバーの移転は中国という特殊な国がメンバーにいるため、香港以外の国にサーバーがあると中国からのアクセスが制限されてしまうこと。中国にサーバーを置くと他の国からのアクセスが制限されてしまうので、香港に設置するのが将来的にも最適だという主張だ。

また、秘書機能の固定化=具体的には香港が秘書機能を請け負うということだ。提案では費用も負担するという。長く予算に苦しんできたWTAとしては魅力的な申し出ではあるが、国際機関で1国の費用で運用されるというのは、他の機関、加盟候補国から見て中立性が疑われる可能性がある。

そこで、寄付と加盟機関会費で賄うべきではないかと逆提案し、検討することになった。会費案は以前から提案はでていたが、もともと無料で運営されてきたので、会費をとるなら脱退するという機関がでてくるかもしれないという理由で出ては消えを繰り返してきた経緯がある。

しかし、WTAがより安定して魅力的な実効性のある機関になるためには、避けて通れない、検討すべきテーマだ。

設立12年を迎え正念場になる。