「英語ができます」だけではなく【半蔵門ビジネス雑談】20190107
以前に、英語に堪能なある業務の担当者を探していたことがあった。
その際、何社かの人材派遣会社をあたったのだが、適した人材はいなかった。その後、1年経って、その会社から連絡がはいってきた。
「英語のできる人材がいるのですが、使ってもらえませんか?」
(ん?)
今だにこういう売り込みをされることが多い。
しかし、これは大きな思い違いだ。言語スキルは、言語の研究者ならまだしも、ビジネス分野での仕事となると、それだけではダメだ。
「言語”以外”のスキルはなんですか?経理とか、技術とか、法務とか、そういうスキル分野のことです。それがないと通訳になってしまいますし、通訳は必要としていません。もっとも、通訳でもなんらかの分野のスキルがないと難しいと思われますが。。。」
パーティーの雑談レベルならまだしも、ビジネスの現場では、特定の技術や知識、スキルを要する仕事がある。その仕事に関わる英語をコミュニケーション手段として使うのだから、そもそもの仕事スキルや知識、ノウハウ、経験が必要となってくる。
売り込みをするにも、英語ができる人材ということだけを全面に出すのではなく、スキルや知識分野があって、加えて英語ができるという二次的な要素として付加して紹介してほしいのだ。
この人材は、エンジニアで、エンジニア的スキルの持ち主であったが、対人は苦手ということで、結局採用には至らなかった。エンジニアの場合、ほとんどの人材は技術文書を読むことはできる。技術の文献は英語で書かれているものが多いし、会話はできなくても、メールはこなせる人が多い。会話ができるかどうか?それが一番のポイントになるが、対話は苦手ではあまりニーズはないということになる。
「英語ができます」は、日本人の英語コンプレックスがまだまだ抜けていないことの証のようだ。