権利より義務が楽?【御散歩雑談】20190312
「お前はまた、そんな権利ばっかり主張して!きちんと義務を果たしてから物を言え!」
こんなセリフで叱られたことがないだろうか?
権利の前に義務果たせ!
なかなか、私も含めて、権利を主張し権利を行使するということが苦手なんじゃないだろうか。日本人の特性なのかもしれない。それとは反対に、義務を履行する、やるべきことをやる、これは非常に得意な人が多いように思える。一方で、中国や韓国、欧米などは権利を主張し、行使するのは手慣れているように見える。
さらに一部のアジアの国、日本も含めて、権利行使が苦手で控えめな行動をするように見える場合もあるが、どうもやっぱり日本人的な特性なのだろうか。
原因の追究は腰を据えた研究が必要だと思うので、ちょっとした仮説で。
義務履行のほうが気持ちが楽
それは、権利行使より、義務履行のほうが精神的に楽だからではないかということ。
権利を行使すると、その結果に対して、責任がついてくる。例えば、何かを売るとお金を受け取る権利があるが、その裏返しとして売ったものを引き渡す責任、義務がある。何かをする自由という権利を行使すれば、その結果生じる事態には責任を持たなければならない。権利を行使すると後に責任や義務が残ることになり、精神的には、負担が後からくるので、気が重い。
一方、義務を果たせば、身軽になる。義務を果たしたご褒美に、権利を行使するとなれば、一種爽快感がある。
先に苦しい練習をクリアすれば、後から、優勝という褒賞がついてくるほうが気分がよいだろう。そんな心情に似ている。
権利行使の理論武装
義務は履行するのにあまり理由がいらない。義務なので。。といえば、履行することにあまり理屈はいらない。ところが権利を行使するには、その権利は何か、なぜその権利が生じているのか、あなたにその権利があるのか、行使する条件は整ったのか。。。等々、いろいろと揃えることがある。どうも、日本人社会の中では、こうした理論をいうと、英語なら、reasonable なのに、理屈っぽい!とたしなめられたりする。だから、権利行使に行動原理が働かないのではないかと思える。
もっとも、最近は変わってきた。
「お前はまた、そんな権利ばっかり主張して!きちんと義務を果たしてから物を言え!」という指導や教育を自分でも子供達にはしていないからだろうか。だから若い世代が、ごく自然に、負い目なく、権利を行使する方向に変わってきている。それは、グローバル化のなかでの、必然でもあり、当然の流れなのだと感じている。