オンライン顧問のミスマッチ【半蔵門ビジネス雑談】20190411
友人たちから、同期生たちから、よく聞くのは、最近SNSなどにオンライン顧問、クラウド顧問への募集広告がよく表示されるようになってきたことだ。オンライン顧問とは、
「これまでの経歴や人脈を活かして、企業への顧問サービスを提供てきるプラットホーム」
で、登録すると顧問依頼がくるらしい。
登録した友人によれば、契約は無料で、商談が成り立った際に顧問先より支払われる報酬は100%が自分に支払われるらしい。これは、仲介というかサイトを提供する会社は紹介業などを行うものではないこと、また顧問内容への責任をとる立場にないことによるからか。
ある先輩は、「定年後の顧問はある種のサラリーマンのあがりスタイルの理想形」だといっていた。
そうかもしれない。
これまでの業務で築いた人脈やノウハウはいわば自分の会社員人生の証みたいなもので、それを最後に、あるいは最後まで活かせるということは本望だろうということは理解できる。
「しかしね。そんなに甘くなさそうよ」
というのはその友人の漏らした言葉だ。
友人が描いていた「顧問」のイメージは、
- 年単位で顧問契約し、
- 毎日あるいは週何回か出社して、
- 経営会議や幹部の会議などに出席し、
- 意見やコメントを求められれば応じる、
あるいは、
- 社内の相談者が訪ねてきて、アドバイスを与える、
- 営業先を紹介する際に同行する
というようなもので、
- 商談の規模は大規模なもの。
一方、クラウド顧問の紹介案件は、人脈紹介が多いようだ。つまり、営業を代行するようなもの。企業からすれば顧問の人脈を使ってトップダウンセールスを期待している。商談は小さく、成果報酬でしかも1件あたり1万円からというもの。また完全に成果報酬なので、動いても商談成立にならなければ実入りはない。
人脈はあるとして、自分の専門分野への人脈なのは当たり前だ。
商材はその企業の売りたいものなので、顧問として自分が自分の人脈に切り込む際には、専門外の場合も多くなり、人脈先から見ると疑問を抱くことになる。例えば私なら、
「万代さん、なんであなたがこの商材を?」
ということになってしまいそうだ。そうなると、かえって胡散臭く見られてしまうかもしれない。せっかくの人脈が台無しになる。
しかし、注意してみるならば、この手のスキルやノウハウ、人脈を切り売りするのはシェアビジネス、シェア文化の一形態に過ぎない。すでに、ココナラなど、あなたの得意が誰かに役立つというのは、同じ発想だ。だからこそ、顧問と名をつけるなら、こうした切り売りではなく、長期契約に絞るべきなのではないかなと思う。
自分が登録して使うときのために、今後に期待はしている。