ゴールを決めよう【半蔵門ビジネス雑談】20190725
人事評価シートを作ってみたという相談を受けた。
シートには、役割や行動、技術、態度などの評価ポイントとその点数基準があり、それぞれ自己評価と上司などからの評価、そして点数が出るようになっていた。
(これでどうしたいのか?)
”みんなに自覚を持って仕事をしてもらいたい”
社長さんの悩みがにじみ出ている。
信じて任せているが、勤務態度やコミュニケーションの点で、物足りないと思うことが多いそうだ。遅刻をする、連絡をしてこない、整理整頓ができず資料が行方不明になる、、など。こうした点は、根本は自覚からしか改善しにくい。ルールや罰則を作っても、手間が増えるだけで、業務は改善されないだろう。
これではうまくいかないだろうと回答した。
評価される人からすれば、
得点をつける評価基準が情意的なので、自信があり自分をどんどんアピールできる人は高得点になるが、謙虚な場合は”普通”になりがち。例えば、「専門知識を活かせているか?」という評価項目に、十分あると答えるには、そういう仕事にアサインされているかどうかが重要で、むしろ会社の営業力があるかどうかになる。するとほとんどないという回答は低得点だが、自分の評価としては不適当になってくる。それは上司などの評価でも同様である。
この評価シートが自分にどう跳ね返ってくるのか?給与や賞与、昇給や昇格に反映されるのだとすれば、なるべく高評価としたいが、前述のような場合は不本意なことになってしまう。
そもそも、人事評価は、人事制度の構成要素である。人事評価制度のゴールを決めよう。
人事制度は、
事業戦略の一部で、
どういう事業を短期長期的に進めていくのか、
そのために採用する育成する人材をどうするか、
目指す人材像と評価制度で描き出される人材の現状との差があきらかになり、
教育制度をどうするか、
営業をどうするか、
とつながってくる。さらには、
給与や賞与、昇給、昇格
につながっていく。そうした構造を意識して、評価制度を説明しないと、評価シートを記載する意義が不明確になってしまう。
人事評価は、人事制度の構成要素である。
人事評価制度のゴールを決めよう。