銭の戦争 著:波多野 聖【読書/映画感想】20191030
お茶の話が書いてあるとの情報から読み始めたこのシリーズ。
実際はお茶の部分は重要だが記述は少ない。その代わり、本編が面白い。
必然的に戦争を誘発する資本主義というアルゴリズムを道楽のように操る米日英露それぞれに生まれた影の実力者たちの思惑で第一次大戦から二次大戦へ突入する世界。
敗戦国がどうなるのか、それは防げないのか、運命に翻弄される政治家や実業家、市井の人々の背後で混乱を助長し世界を破壊させることを策謀する闇の心を秘めた人物たちにどう立ち向かえるのか。
ヒットラーの言葉として紹介されている会話が示唆的だ。
「諸君、必勝の戦争とはなにか?
それは戦争をしたくない相手とすることだ。
平和が好きで闘いの準備などしたくない相手を選ぶのだ。
だから我らはイギリスを選んだ」
ただしチェンバレン首相はそうだったが、ウィンストンチャーチルの戦う意思に屈した。
ついに10巻で完結。。。読み終わるのが惜しい。